FLOBOTS / フロボッツ
ユニバーサル・リパブリックのニューカマー、フロボッツは、コロラド州デンバー出身の6人組。デビュー・アルバム『ファイト・ウィズ・トゥールズ』が大ヒットし、超一押しのグループとして2008年にメジャー・レーベルと契約。洞察力に富んだこのグループは、冗談を交えながら世の中を凝視しつつ、社会正義を唱える。そしてフロボッツにはなんとヴィオラ奏者のメンバーがいるのだ。
多動性のMC、ブレール・ラビットとジョニー 5は、エミネムやレッド・ホット・チリ・ペッパーズのように、自分たちのアイコンを確立しながら、リリックでランドスケープを作りあげていく。アンカーは、ハイオク・リズム担当の、ベーシスト:ジェシー・ウォーカー、ドラマーのケニー・オルティス、そしてピカ一のファンク魂を持ったギターリストのアンディー・ゲレロがつとめる。そこに、最高なバランスを持ったマッキンジー・ロバーツのヴィオラが被さり、記憶に残るパフォーマンスを生み出す。熱狂的なファンと独特なオリジナリティーを持つこのグループは、最新のシステムを駆使しながら、オーディエンスを魅了する。フロボッツのファンを独自のNPOとしてプロモートしながら。
フロボッツは2005年に結成された。前年に行われた大統領選の真只中、幼馴染のジョニー 5とブレール・ラビットがロバーツと組み、活気あるヒップホップと有権者たちのパッションを一体化させる。地元のファンク・バンド、ボブ・スキッズムのフロント・マンをしていたゲレロは、アドリブでインストを披露し、3人をうならせた。こうして、フロボッツの原型が作られたのだった。
音楽的かつ非営利コミュニティーの繋がりで集まったこのグループは、社会的な"事件"に目敏いライブ・ショーで評判を上げていった。コミュニティーを変える為に、ファンにもアピールしつつ、ライブ・パフォーマンスでウィットと刺激を融合させていく。デンバーの音楽シーンは、フロボッツの現状改革主義や個人主義を徐々に受け入れていった。グループは大スターのような評判を得、ジャンルを超えて地元デンバーのアーティスト達とチームを結成。"誰とでもプレイするよ"ギターリストのアンディー・ゲレロが言う。"バンドのみんなと色々話してるんだ。絶対に曲げられない政治的信条が似てるからね。仲間意識と音楽家としての意識を高めたよ"。
インディ・リリースした『ファイト・ウィズ・トゥールズ』は2007年にデンバーのストリートをヒットした。「ハンドルバーズ」は地元のラジオ局をロックし、瞬く間にインディ・チャートのヒップホップ部門で1位を獲得。ユニバーサル・リパブリックは、 「ハンドルバーズ」を更に多くのオーディエンスにアピールする為に一押しし、アルバムの中身を全く変えずに再リリースするという約束でバンドと契約を交わした。このシングルはビルボードのトップ10ヒットとして一気に広がり、その年に最もリクエストがあった曲の一つとなった。この曲のたまらないフックや社会的メッセージは、フロボッツを2008年の最も噂となったニューカマーに仕立て上げた。
"「ハンドバーズ」はグループの成功と同じ感じで書いたんだ"とジョニー 5が言う。"ハンドルを握らずにバイクに乗ったことがあるかって、数年前に友人に聞かれたことがあるんだ。勿論なかったけど、トライしてみたら出来てね。ウエイターをやっていた頃にハンドルバーを握らずにあちこちに行けたんだ。マジで楽しかったのは、何かを成し遂げたという満足感で、最初はやり方がわからなかったけど、今は出来るみたいな。ハマったというか。でも、俺たちが何かを喜ぶ時とかってのは、何かが起こるっていうか。そういう時はいつも反対に働くマイナスの力が背後にある気がするんだ。そんなアイデアが浮かんでバイクから降りて、そこで最初の3バースを書いたんだ。お袋の留守電に録音して、確認もしてね。何が言いたいかっていうと、意図している事というのは、実際は全く反対のところに存在しているってこと。フロボッツは、ポジティブなエネルギーを本当の変革へと持っていけるように頑張りたいと思ってる"。
フロボッツの哲学は、ファンや批評家達の反応を見れば、受入れられていることがわかる。『Last Call with Carson Daly』や『The Tonight Show with Jay Leno』で見られるように、マスコミまでもフロボッツの伝染的なボキャブラリーや抑制のないパッションにはまっている。
「ライズ」や「ウィー・アー・ウィニング」のようなアンセム・ソングは、ファンの間でも人気の曲である。
"私たちにとって一番大切なことは、音楽があってこそファンと繋がっているということ"、マッキンジー・ロバーツが言う。フロボッツを理解するとはそんなことだ。それは、例えば、ブレール・ラビットが作り出す'大改革'的な"メーデー"のような曲もあれば、 "ザ・リズム・メソッド(ムーヴ)"のように、フリーな感じもありつつ、より崇高なサウンドも、彼らは作り出すことができるということである。また、ジョニー 5とブレール・ラビットが'裏通りでゴミや銃弾ケースをリサイクルしてるってのはどうなんだよ'と、絶妙なタイミングで掛け合いを見せるという技も、"ライズ"の熱いコール&レスポンスを聞けばわかる。彼らの、あえて語呂合わせをしないという'トゥール'は、フロボッツのインスピレーションと同じ位に無限だ。"私たちを繋げているのは、音楽への愛と私たち自身のメッセージね"、とマッキンジーが言う。
マッキンジーは、輝かしいクラシックとジャズの経歴を持ってバンドに飛び込んできた。大学卒業(デンバー大学)後、熱心にデンバーのアンダーグランド・シーンを追い求め、まずヴィオラのパートが準備完了となった。グループのカラーにはあまり合わない彼女の存在や、遊び心を持った独特のセンスは、シリンダーの中でフロボッツを化学反応させる重要な鍵の一つとなっている。それは、トレンドやカテゴリーを無視してしまう、という恐れを全く知らない彼らを象徴している。"俺たち自身がクールじゃないからイイんだ、ってよくみんなに言ってるよ"とブレール・ラビットが物思いにふける。"俺らのミッションは、俺ら自身が楽しんでないと絶対に果たせない"。
ベーシストのジェシー・ウォーカーは、民主的なフェアプレーの精神は、社会正義への探究心と同じ位バンドの中では重要なことだと言う。"俺たちはみんな貢献してるよ。みんな平等に言いたいことを言い合ってるし、各々の方向性を持っている。そういうテンションが、曲にパワーを与えるみたいな"。リリックも編集出来るGoogle Doc(即興の作詞も複数で共有し、簡単に編集出来るGoogleの機能)を駆使するメインMCも引き連れ、バンドは完全にオープンな生命体として稼動する。例えば"メーデー"は、メンバーみんなの要素が織り込まれ、強烈な曲に仕上がっている。ブレール・ラビットは言う、"俺らが気に入ってる曲の一つだね。それぞれが違う意味で捉えてる曲なんだ。この曲の一部を書いていた時、みんながどんだけシステムの板挟みになっているかって考えていたんだ。一緒に仕事をした子供たちも学校のプレッシャーや社会的な不安に挟まれてるし、いつも亀裂の中に落ちている感じで、結局自分たちのシステムを開拓しなきゃいけなくなるんだ"。
'未熟さ'と'意外性'の両方を兼ね備え、新しいバンド・モデルを作り上げたフロボッツの才能について、音楽評論家の一人がこう記事にした。'活気のないメインストリームの音楽文化を目覚めさせ、最高の音楽、そして変革を求めて現れた'、と。
|