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◆ 父親はドン・チェリー、姉はネナ・チェリーとティティヨという音楽一家に育ったイーグル・アイ・チェリー。98年のデビュー・シングル「セイヴ・トゥナイト」が世界中で大ヒットし、ここ日本の音楽ファンに知られるところとなった。この曲を収録したデビュー・アルバムは400万枚を売り上げ、グラミー賞にノミネートされた。


◆ セカンド・アルバム『リヴィング・イン・ザ・プレゼント・フューチャー』('00)はリック・ルービンのプロデュース、ネナ・チェリー参加、サンタナとの共演曲やL.L.クールJのカヴァー収録で話題となり、初来日公演も果たした(FUJI ROCK FESTIVAL)。


◆ サード・アルバムとなる本作では、アル・ストーン(ビョーク、ジャミロクワイなど)、キャメロン・マックヴェイ、ティム・シムノン(マッシヴ・アタック、デペッシュ・モードなど)がプロデュースに参加。スウェーデン生まれ、子供時代は父親と共にツアー生活、その後ニューヨークで演劇やバンド活動、デビュー後は再びスウェーデンに居を構える・・・と、さまざまなカルチャーの中で育ってきたイーグル・アイ・チェリーだが、そんな経歴に思わず納得の自由な作風。それが彼の天性の魅力である。洗練されていてブルージーでフォーキーな、心温まる歌。


◆ ソングライティングに焦点を当てたのが前作なら、今作はプロダクションに気を配ったパノラミックなサウンドになっている。とはいえ、単に機械的な音になっているのではなく、スタジオのテクノロジーとオーガニックなライヴ感とがほどよく組み合わさっている。曲の内容は、パーソナルな視点から書いているが、同時に今の世の中に対する鋭い観察力もうかがわせる。「ドント・ギヴ・アップ」という曲には、絶望の中にも希望がある、というメッセージが込められているそうだ。ストーリーテラー、ソングライティング職人としての技術もさらに進化した今作は、再び世界中の音楽ファンに訴えるだろう。