BIOGRAPHY

THREE DOG NIGHT
コリー・ウェルズ(vo) チャック・ネグロン(vo) ダニー・ハットン(vo)
マイク・オールサップ(g) ジョー・シャーミー(b) ジミー・グリーンスプーン(kb) フロイド・スニード(ds)

3人のヴォーカリストと4人の演奏陣というユニークなバンド――ソウルフルなコリー、繊細なチャック、温かみを感じさせたダニーといった具合に、3人のヴォーカリストがそれぞれ異なるカラーを持ち、グループとしての多面性をアピールした。
スリー・ドッグ・ナイトは67年にLAで結成され、68年にダンヒルからデビューした。69年の「ワン」(第5位)でブレイクしたのを機に「ママ・トールド・ミー」(70年/第1位)「ジョイ・トゥ・ザ・ワールド」(71年/第1位)「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」(71年/第4位)「ブラック・アンド・ホワイト」(72年/第1位)「シャンバラ」(73年/第3位)「ショウ・マスト・ゴー・オン」(74年/第4位)などのヒット曲を連発する。
 ビートルズの出現以来、ポップス/ロック・シーンでは自作自演が当たり前となっていたが、彼らはこれに固執せず、積極的に他人の名曲をカヴァーした。一般のファンが認知する前からニルソン、エルトン・ジョン、ランディ・ニューマン、ポール・ウィリアムス、ホイト・アクストン、デイヴ・ロギンスらの作品を取り上げ、ファンが作者を再評価するという動きにもつながっている。18曲連続トップ20入りを含む、すべてトップ40入りした21曲のヒット曲がいずれも他人の作品であったことは興味深いことである。あらゆるタイプの曲を自分たちのものとして表現する力を持っていたのだ。
 グループ名は、オーストラリアの原住民であるアボリジニの風習に由来している。極寒の時に3匹の犬と寝ることをスリー・ドッグ・ナイトと言う。
 彼らは76年に一度解散、81年に再結成後は、メンバーを変えつつも現在もツアーを中心に精力的な活動を続けている。