<コンサート・レポート>恒例の国立劇場リサイタル、45周年記念となる今年は三浦祐太朗がサプライズで駆けつけ、「いい日旅立ち」をふたりで熱唱!

2017.04.08 TOPICS

今年でアーティスト活動45周年を迎える谷村新司が、「谷村新司 45thリサイタル2017 THE SINGER」と題した公演を、東京 国立劇場 大劇場にて4月7日より3日間開催。本日その初日が幕を開けた。2013年より日本の伝統芸能の殿堂である国立劇場で毎年開催し、5回目となったリサイタル「THE SINGER」。

荘厳に響き渡る「Overture」から「いい日旅立ち」の始まりと供に花道から登場する谷村。
「45年目の春、特別な瞬間を、今夜は谷村のライフ・ストーリーと供に、今夜もがんばって咲いてくれている桜を皆さんと一緒に愛でながら、新しい1ページを開いていきたいと思います。今夜はたっぷり歌います!最後までごゆっくり楽しんでいってください!」
「陽はまた昇る」「サライ」と続け朗々と歌い上げた。

「アリスとしてプロでデビューして10年、その後ソロになって35年、45年間歌を届けるためにずっと続けてきました。歌と供にもうひとつ長く続けてきたのはラジオ。プロになる前のアマチュアバンド、ロック・キャンディーズのステージがきっかけで、ラジオのパーソナリティに。東京に出てきて<セイ!ヤング>がバンバンと一緒に始まります。」<セイ!ヤング>での数々のエピソードで笑いを誘った。

「45年間音楽を続けてきた中で節目がいくつかありました。大きな節目となったのは、1981年。アリスで日中国交正常化の一環で開催された北京公演後、新聞に『中国で初めてポップスが流れた日』と書かれていて感動しました。」
「中国の若いロックバンドが“アリスは僕らにとってのビートルズ”と言ってくれました。そう言われると何だかおこがましいけれども、すごく嬉しいことだなと思いました」。
「通訳の青年から“どうして日本はアジアに背を向けているのでしょうか”と聞かれた時、衝撃を受けました。アメリカから見ると日本も中国も同じアジアであることに気づかされ、自分はソロになったらアジアへ行こう、と決心が固まりました」

前半第一部でのトークでは、中国との深いご縁について熱く語り、「風姿花伝」(東映配給アニメ映画『三国志』主題歌)、「花」(東京音楽祭アジア大会テーマ・ソング)等、全9曲を流麗に歌唱。

後半第二部では、日本の名曲のカバーを中心とした構成で「夢の途中」から始まり、終盤に差し掛かる頃にサプライズゲストが登場した。
「今日、45周年のお祝いに素敵な若者が駆けつけてくれました。お父さんの名前は三浦友和。お母さんの名前は三浦百恵。百恵ちゃんは長女のような存在でした。彼が生まれる前からのおつきあい。ということは僕の孫みたいなもの」
「谷村さん、45周年おめでとうございます!」と三浦祐太朗が登場。
「物心がつく前に谷村さんのご自宅に行かせていただいて、多分だっこしてもらいました!」(三浦)
「今では僕がだっこしてもらえるようになりました」(谷村)観客がどっと笑う。
「中学に入って2度目におじゃました時は、谷村さんが手作りのお好み焼きを作ってふるまって下さって、そのお好み焼きが美味し過ぎて、僕今32歳なんですけど、今までそのお好み焼きを超えるお好み焼きを食べたことないです!」(三浦)
「母はあまり僕にアドバイスしてくれないのですが、今日人生で初めてアドバイスされたのが鼻濁音。鼻濁音を発音するのに意識した方がいいかもね、と言われました」と、母である三浦百恵との微笑ましいやりとりを語った。

ふたりで「いい日旅立ち」を歌唱すると、豊潤で貫録のある谷村の歌声と透明感があり柔らかな歌声の三浦との絶妙なハーモニーで、不朽の名曲が時空を超えてまた新たな息吹を感じさせた。

ラストに「昴」を壮大に歌い上げ、軽妙洒脱なトークと全20曲(+2曲アンコール)で1,600人の観客を魅了し、谷村新司 45thリサイタル2017 THE SINGER初日の幕を閉じた。

なお、自身初のオールタイムベスト『STANDARD~呼吸(いき)~』は、45年間世界中に歌を届けてきた谷村が、セレクトした45曲(+ボーナス・トラック2曲)3枚組CD。この4月5日に発売されたばかり。

 

コンサート写真谷村新司1

コンサート写真谷村新司2

 

コンサート写真三浦祐太朗

 

コンサート写真谷村plus三浦