アルバム『ONENESS M』楽曲解説ショートVer.

『ONENESS M』の楽曲解説ショートVer.

SUGIZOソロ活動20周年のオリジナルアルバム『ONENESS M』楽曲解説のショートVer.を公開!
SUGIZOの参加ヴォーカリストたちに対する思いが綴られています。

 

RYUICHI(LUNA SEA)

1 「永遠 feat.RYUICHI」

まだ僕が19歳の頃に知り合って、今なお本物のシンガー像を見せてくれるRYUICHIがいたからこそ、僕は今回のような作品を作れたのは間違いない。キャリアの最初期の段階からこれだけのポテンシャルを持ったシンガーがいたから故、自分はその反作用で今のようなギタリストになったと言えます。紛れも無く僕を導いてくれた1人として彼を心よりリスペクトしています。始めて今回のうたを聴いた時には瑞々しい声に震えました。


川上洋平([Alexandros])

2 「Daniela feat.Yoohei Kawakami」

洋平くんの声の存在はもう天から授かった賜物なんだと痛感しました。キーも何処までも永遠に伸びていく感がある。でも歌の上手い人にありがちな変な我が全く無くて、本当に純粋無垢なシンガーなんですね。多分歌う為に命を授かったんであり、やっぱり天才なんですね。ずっとストックしていた大切な曲なんですが、全体の構成がアシッドなトランスであるのも含めて川上洋平が歌う為に存在したとしか思えないですよね。


京(DIR EN GREY/sukekiyo)

3 「絶彩 feat.京」

京氏は真の天才を呼ぶに相応しい人ですね。彼のヴォーカリゼーションの幅の広さと声の良さ、歌詞の独自性、唯一無二のパフォーマンス、あらゆる意味で奇跡の男です。彼のポテンシャルを最大限に引き出すように、ドープなダブの世界に行き着きました。実は送ったデモから、完全なヴォーカル・テイクを彼が作ってくれて、歌だけではなく、歌詞の世界観、シンガーとしての存在感も含めて、改めて天才だと思わされましたね。


K Dub Shine

4 「Rebellmusik feat.K Dub Shine」

K Dubさんとは精神性や反骨精神に共鳴し合い、意気投合して今回参加してもらいました。僕が近年ハマっている電子音楽は、古い体制に対するアンチテーゼやクラシカルな音楽に対する反抗でもあり、ロックンロールやパンクと同じく反逆の音楽だと認識しています。前作で僕が作った「Raummusik」という電子音楽に、日本語ラッパーのオリジネイターとして、社会性を孕んだ赤裸々でエッジ―な真実の言葉を歌って欲しかった。  


TERU(GLAY)

5 「巡り逢えるなら feat.TERU」

このセルフカバー曲は、僕が人間関係的にも、社会的にも絶望期の作品なんですが、あえて全ての成功を手に入れたポジティヴな光のようなシンガー、TERUに歌って欲しかった。彼は数々のネガティヴな言葉でさえ、ポジティヴに昇華させる力を持っている数少ない超一流のシンガーです。現在様々な苦境を強いられている人々の一助になればという意図も彼は完全に理解した上で歌ってくれる、人間としても素晴らしい後輩なんですよね。 


Toshl(X JAPAN)

6 「PHOENIX~HINOTORI~ feat.Toshl」

X JAPANのライヴでもいつもToshlさんの唯一無二のヴォーカルにただ感動します。あのひとの声は国宝級ですね。バラードを歌わせれば天下一品ですが、今回のようなサイケデリック・ラウド・トランスを歌ってもらうと、本当に強烈なロック・シンガーである事を再確認してもらえるはずです。また今回はToshlさんに歌詞を書いて頂いて、彼が苦悩を乗り越えて昇華させた言葉は、多くの人達にエネルギーを与えてくれます。


TOSHI-LOW(BRAHMAN)

7 「Garcia feat.TOSHI-LOW」

TOSHI-LOWくんほどハートフルでストイックで愛に満ちた男はそうはいません。震災後の非常にアクティヴな素晴らしい活動、あらゆる被災地に常に意識を寄り添える繊細な心、一言でいうと、男が惚れる男ですよね。そして彼の本心で赤裸々な真実の言葉を、僕が作る電子音楽にポエトリー・リーデングとして心の叫びが欲しかった。形骸化した世の中やシーンに対する反骨精神に満ちた作品なので、彼の存在無しにはあり得ません。


辻 仁成

8 「感情漂流 feat.辻仁成」

僕にとって辻さんは日本のルー・リード、言葉の魔術師と呼べる人なんですよね。彼は正直音楽理論などは関係なく本能でやってきた人で、だからこそ自らの確固たるスタイルを獲得している。僕は音楽家のタイプとしてはある程度は理論的な裏付けが必要な人だから本質的には異なる。つまり僕は辻さんみたいなことは絶対に出来ないからこそ惹かれるんですね。だからランボーがギターを持って歌うような人と刺激に満ちた発想が出てくるんです。 


清春

9 「VOICE feat.清春」

清春とはかなり古い付き合いで、この10年ほどは特に親しくてね。年齢も近く、この年代になってもグラマラスであろうとする精神も含めて、とてもシンパシーを感じます。僕が作った最も気に入った曲を、圧倒的な声の持ち主に歌ってもらう念願がようやく叶いました。僕も90年代を共に駆け抜けた同志は多いですが、でもシンガーという意味においては、同世代ではやはり清春はベストの人なので、彼の参加はとても意義深いです。


MORRIE(DEAD END/CREATURE CREATURE)

10 「光の涯 feat.MORRIE」

MORRIEさんは僕の友人達の中でも最も高い英知を持っている人で、物事を見通せる説得力、次元を超えて飛躍する能力がダントツです。今回僕が作詞において頼んだことはただ一つ、究極の愛を描いて下さい、それだけです。今回の歌詞を書いてくれたMORRIEさんには言い尽くせない感謝の念があります。僕にとってあの人の言葉は本当に特別で、こんなに光栄なことはありません。僕の近くに彼がいる喜びは計り知れません。


取材・文  吉留大貴 HOROKI YOSHIDOME