4/29開催「NAONのYAON」イベントレポート掲載!

2015.04.30 TOPICS

 2015年4月29日 東京・日比谷野外大音楽堂

Showya 20150429
(写真左から、中村あゆみ、未唯mie、寺田恵子(SHOW-YA)、相川七瀬)

 今年の夏にデビュー30周年を迎えるロック・バンド、SHOW-YAのプロデュースによる「NAONのYAON2015」が、ゴールデンウィーク初日の4月29日に東京・日比谷野外大音楽堂で行われた。午後3時に開演したこのイベントが終了したのは午後8時過ぎ。5時間という長時間だった。でも、最後まで観客を飽きさせることはなかった。付け加えれば、観客を飽きさせることがないからこそ、この「NAONのYAON」というイベントは開催され続けているのだ、といえる。とにかく、楽しい、そして意味あるイベントだった。

 まず、なんといっても出演者の豪華さ。今回のケースを出演順に羅列すると、相川七瀬、FLiP、PIGGY BANKS、Gacharic Spin、仮面女子、平野綾、PINK SAPPHIRE、田村直美、シシド・カフカ、土屋アンナ、中村あゆみ、シークレットゲストとして登場したピンク・レディーの未唯mie、TRFのYU-KI、杏子、そしてSHOW-YA。ほんとうに豪華である。ただし「NOANのYAON」は各アーティストのネームヴァリューに頼ったイベントというわけではない。だから、バラエティに富んだ出演者、と表現したほうがより正確といえる。

 「NAONのYAON」はタイトルからもわかるとおり、「女」の倒語、つまり芸能界で昔からよく使われている逆さ読みと、会場の通称名「野音」をローマ字表記にしたもので、出演者は全員女性であることが条件。が、それ以外はとくにないといっていい。アーティストのキャリアも年齢もジャンルも活動スタイルもまったく問わない。SHOW-YAがオーガナイザーであるからして、どうしたってSHOW-YAが入口となるわけだけれど、ドアを開けて中へ入ればそこには観客の知らない景色もある。イベントを体感することが、SHOW-YA以外のアーティストを知る、SHOW-YA以外のアーティストの音楽を楽しむきっかけになるということで、オーガナイザーの視点でいえば、きっかけにしたい、ということになるのではないか。

 SHOW-YAは「女性ロック・バンドの草分け」と紹介されることがほとんどで、では、「NAONのYAON」についてはどうか。アーティストがオーガナイザーとなり、そのオーガナイザーが共演したい、あるいは紹介したいと思うアーティストを集めたアーティスト主導のフェスやイベントは、現在の音楽シーンにおいてはあたりまえのように存在している。が、「NAONのYAON」の第1回は1987年。「夏フェス」や「野外フェス」という言葉が世間一般に流通していない時代にスタートしていた。しかも、初回開催時のSHOW-YAはデビューしてまだ2年。シングル「限界LOVERS」でブレイクするのは1989年のことである。にもかかわらず、大先輩のカルメン・マキ、同じ女性バンドでこれまたブレイク前のPRINCESS PRINCESS、アイドルの石川秀美といった人たちをSHOW-YAは集めていたのだから、なんとも攻撃的かつ画期的なことをしていたということになる。

 もうひとつ。バラエティかつボーダレスな出演者が特徴である「NAONのYAON」が他にも重要視しているのは、誰もが楽しめる、ということで、その象徴はなんといっても寺田恵子。彼女はイベントの司会者、進行役でもあるので、パフォーマンスを終えたばかりのアーティストとともにトークを繰り広げ、転換時の「繋ぎ」をする役割も担っている。では、ゲストのパフォーマンス中に寺田はなにをしているのかというと、それは今年も変わらなかった。舞台の袖で手を叩いたり、拳を振り上げたり、跳ねたり、踊って楽しんでいたのである(ステージを見て右側の客席にいた人たちはその姿がよく見えたはず)。これ、寺田が、SHOW-YAが、観客目線でイベントを企画しているからこそのアクションといえるのではないか。

 当然のことながら、出演者は自分たちで楽しむだけでなく、観客を楽しませるということに対しても強い意識を持っている。多くの出演者が自身の代表曲、ヒット曲を披露したのはつまりそういうことで、たとえば、今回のトップバッターだった相川七瀬がいきなり「夢見る少女じゃいられない」を歌ったのは、音楽とは誰のためのものかということをよく理解しているからこその選曲だった。他にも、シシド・カフカが「リンダ リンダ」(THE BLUE HEARTS)を歌ったのは、誰の作品であろうとすばらしい音楽は楽しのだという主張であったし、杏子が「女ぎつねon the run」を山下久美子と一緒に歌ったのは、イベントだからこそ可能なコラボレーションの具現化でもあった。

 そして“セミファイナル”の登場はもちろん、SHOW-YA。「私は嵐」と「限界LOVERS」というお約束の、しかしやっぱりうれしい2曲と、沢田研二の「勝手にしやがれ」を披露した。楽しめないほうがおかしいという3曲で、ジュリーのカヴァーは5月27日(水)に発表されるアルバム『Glamourous Show II』収録曲。これは30周年記念リリースの第1弾として昨年10月に発表されたカヴァー集の第2弾で、前作はX JAPAN やGLAYといった男性ロック・バンドの作品ばかりだったけれど、新作は前述した沢田研二をはじめ、矢沢永吉や泉谷しげるといった男性ソロ・アーティストの作品ばかりを採り上げている。

  最後に、カヴァーといえば「NAONのYAON」の“ファイナル”。寺田は「彼女がいてくれなかったら女性ロック・ミュージシャンは生まれてこなかった」と、今年2月に亡くなったシーナに哀悼の意を表し、今回のイベントに出演したアーティスト全員をステージに呼んだあと、みんなでシーナ&ロケッツの代表曲「LEMON TEA」を披露した。そしてその光景は、「NAONのYAON」はみんなのものであり、みんなですばらしい音楽を伝え、みんなですばらしい音楽を楽しんでいこうよ、というイベントを見事に象徴するものだった。そこで、今後もこのイベントは続いていくべきであるし、続いていってほしいと思っていたら、なんと、ネクストの「NAONのYAON」が8月23日(日)に同じく日比谷野外大音楽堂で開催されることが寺田から発表されたのである。正式タイトルは「NAONのYAON2015 ~SUMMER~」。ちょっと驚いた。このイベントが同じ年に二度開催されたことはこれまでにないからで、要するに、SHOW-YAのデビュー30周年のスペシャルなプロジェクトはまだまだ続く、ということなんだと思う。

テキスト:音楽ライター 島田 諭

<2015 年デビュー30 周年今後のライヴ予定>
2015 年 7 月 16 日(木)~20 日(月・祝) 「Glamorous ShowⅡ」リリース東名阪ツアー
7/16(木)大阪:梅田 AKASO
7/18(土)名古屋:E.L.L.
7/20(月・祝) 東京:豊洲 PIT

2015 年 8 月 23 日(日)
SHOW-YA PRODUCE「NAON の YAON 2015~Summer」 会場:日比谷野外大音楽堂

2015 年 8 月 30 日(日)
デビュー30 周年記念日イヴ メモリアルライヴ 会場:目黒鹿鳴館

2015 年 10 月 24 日(土)~29 日(木) 『30th Anniversary オリジナル・アルバム』秋ツアー
10 月 24 日(土)名古屋 E.L.L.
10 月 25 日(日)梅田クラブクアトロ
10 月 29 日(木)渋谷 O-WEST

2015 年 12 月 27 日(日)
SHOW-YA 30th Anniversary Live 会場:東京国際フォーラム ホール A