BIOGRAPHY

荘村清志(ギター) / Kiyoshi Shomura


荘村清志は実力、人気ともに日本を代表するギター奏者として近年ますます充実した活動を展開している。2017年から2020年にかけてギターの様々な可能性を追求する「荘村清志スペシャル・プロジェクト」(全4回)に取り組んでいる。第1回は2017年にさだまさしと、第2回は2018年にcoba、古澤巌、錦織健と共演し(いずれも東京オペラシティコンサートホールにて)、ジャンルの垣根を越えたコラボレーションが話題となった。2019年はデビュー50周年に当たり全国各地でリサイタルを行った。

9歳からギターを始める。1963年来日した巨匠ナルシソ・イエペスに認められ、翌年スペインに渡り師事。1967~68年にはヨーロッパ各地でリサイタルを行い、1969年の日本デビュー・リサイタルで、「テクニック、音楽性ともに第一人者」との高い評価を得た。1971年には北米各都市で28回にのぼる公演を開き、国際的評価を確実なものにする。1974年にはNHK教育テレビ「ギターを弾こう」に講師として出演し、一躍日本全国にその名と実力が知られることになった。
以後、リサイタルや日本の主要オーケストラほか、マルク・グローウェルス(フルート)、インマ・ゴンザレス(カスタネット)、シュテファン・フッソング(アコーディオン)との共演、女優の岸田今日子、中嶋朋子(朗読)とのコラボレーション(テデスコ:「プラテーロとわたし」)などギターの魅力を様々な形で伝えている。
2007年にはNHK教育テレビ「趣味悠々」に講師として登場し、改めて日本ギター界の第一人者としての存在を強く印象づけた。
2008年ミラノ弦楽合奏団の日本ツアーにソリストとして参加。同年ビルバオ交響楽団の定期演奏会に出演。《アランフェス協奏曲》を録音2009年にCDをリリース、また同団との日本ツアーを行い好評を博した。2014年デビュー45周年を記念して東京にて大友直人指揮東京都交響楽団と協奏曲3曲を演奏。2015年10月にはイ・ムジチ合奏団と共演、レコーディングを行い、ジュリアーニ、ヴィヴァルディのギター協奏曲を含むアルバムが2016年1月にリリースされた。
現代のギター作品を意欲的に取り上げるだけでなく、日本人作曲家に多数の作品を委嘱、初演するなど、ギターのレパートリー拡大にも大きく貢献している。特に武満徹には1974年に「フォリオス」、1993年に「エキノクス」を委嘱、1977年荘村のために編曲された「ギターのための12の歌」を初演・録音、1996年には「森のなかで」を全曲初演している。2016年は武満徹没後20年に際し、同氏のギター曲を各地で演奏し好評を得た。2020年7月、福岡にてcoba作曲によるギター・コンチェルト「TOKYO」を原田慶太楼指揮九州交響楽団と世界初演した。
現在、東京音楽大学客員教授。