【 DVD 】
センチメンタル・シティ・ロマンス Live 30 years young

センチメンタル・シティ・ロマンス Live 30 years young

 2004.10.27 Release!!
 UPBH-1138  \4,800(tax in)

 【収録内容】
 M-01. うちわもめ
 M-02. Smiling Face
 M-03. 内海ラヴ
 M-04. 風の街で
 M-05. Manbo Jambo
 M-06. あの娘の窓灯り
 M-07. 籠時
 M-08. ひたすら
 M-09. 時は流れても
 M-10. おかめとひょっとこ
 M-11. スウィート・アイスクリーム・サンデー
 M-12. ハイウェイ・ソング
 M-13. LUCY
 M-14. 雨はいつか
 M-15. ナイス・ショット
 M-16. 夏の日の想い出 (ダンシング・ミュージック)
 M-17. Dance With Me



今年(2004年)3月29日、六本木「スウィートベイジル」で行なわれたセンチメンタル・シティ・ロマンスの30周年記念ライヴを見ていて、すっかり感慨に耽ってしまった自分がいた。告井延隆、中野督夫、細川豊・・・ メンバーみんなイイ顔をしている。ふと見れば隣りに座っている元ロック少女たちは、どうやらデビュー当初からの熱心なファンらしく、驚くべきことに70年代のセンチのステッカーをバッグの中から引っ張り出しながら、盛んに昔話に興じていた。そんな感じで、多分あの場に居合わせた全てのファンの胸には、何やら訳もなく熱いものが込み上げて来るものがあったに違いない。あの時代の風景や空気感を共有した得難い思い出は何者にも換えがたい宝物だ。
とはいえ、実に申し訳ないが僕自身はセンチと別格親しい訳ではない。が、常にセンチは近くにいて、一緒に併走して来た覚えがある。76年頃、僕はセンチと親交の深かっためんたんぴんの楽器車に同乗させてもらって、各地で行なわれたロック・フェスによく行ったものだった。そんな時、現地で必ず鉢合わせになるのが、センチメンタル・シティ・ロマンスの連中だったのである。九頭竜ロック・フェスティヴァル、敦賀国際ロック・フェスティヴァルだとか、その類のロック・フェスでセンチと出会うと、長話こそしないが二言三言言葉を交わすのが通例になっていた。名古屋ではセンチが溜まり場にしていたという「ホワイト・ハウス」へ一緒に飲みに行った記憶もある。
その頃の印象はとにかく当時の数あるロック・バンドの中でも格段に上手いということだったろうか。 とにかくコーラスをやらせても羨ましいくらいピタッと息が合うし、荒削りで大雑把な演奏が大半の中でセンチだけが実に細やかで着実な演奏を聴かせてくれたものだった。それから、当時から際立っていたのは言い古されていることだが、ウエスト・コースト、それもロス志向のサウンド、と言うよりは実際にロスの街に通じる様な雰囲気、ニュアンスを醸し出していたことだ。でも、“ロスアンジェルス大橋”が名古屋にあったという話には流石にビックリしたものだが・・・。そう言えばまだ訊いてなかったけど、あの頃の“ムーンシャイン&サンシャイン”はヤングブラッズの「Moonshine Is The Sunshine」から名付けられたんだろうか?
ともあれ、どちらかと言えば日本的でウェットなバンドが多い中、センチのスコンと抜けたような、カラッとしてファンキーな感覚は明らかに異質だった。が、それでいて古い日本語の使い方が妙に上手かったことを覚えている。 “あんたはひょっとこ” とか “へのへのもへじの へそまがり”、かと思えば今思うと相当に過激な“俺のセニョリータ 千代に八千代に 苔むしっちゃった” なんてのもある。毎回こんなすっ呆けたような詩を聞かされては、肩透かしを食らわせられ??? がミステリアンズになってしまったものだ。今考えてみるとセンチにしろシュガー・ベイブにしろ、他を圧倒する程クオリティの高い演奏を聴かせ、且つ良質で洗練されたアルバムを作りながらも今ひとつ人気が付いて行かなかった要因は、実にこの点にあったのではないかという気がしてならない。
ロス発の洋楽をマニアックに聴き込んでいたが故の繊細さ、センスとしてのカラッと抜けるような青い空、どちらも当時の日本のロック・ファンにはまだピンと来なかったんじゃないだろうか。
逆に当時、ウェットが故に屈折した勢いのあるライヴ・バンドに人気が集中したのも、そんな理由があったからではないかとも思うのだが、いかがなものだろうか?
まぁ、それはともかく、僕が旅先で出会う度にセンチを凄いと思ったのは、そうした表面的なモダンさよりもタフなツアー・バンドとしての側面だった。 アメリカンな “赤バス” に乗って日本各地を回り、“うちわもめ” してもいつも柔和なスマイルを絶やさない。当時のウエスト・コーストのバンドもみんなそんな感じだった。そういう意味で僕にとってセンチは垢抜けてカッコイイ、紛れもないロック・バンドだったのだ。 が、そんな思いに水を差したのが某誌の “センチはロックじゃない” という心無い記事だった。 今でも覚えているが、“何を! センチのライフ・スタイルも知らないクセに” とばかりに怒り心頭に発した僕は絶対にその音楽誌にだけは書くまいと心に決め、実はいまだに一回も書いたことはない。 つまり不覚にもあの時からセンチと運命を共にしてしまったのである。 が、後になって、もしかしたらアソコに書いていれば一流として認めてもらえたかも知れないのに・・・、若気の至りだったと反省することしきり。 今となっては後の祭りだけど、アレが僕の音楽人生のクロスロードだったような・・・。 今だから言わせて貰うけど、僕はセンチのお陰で人生を誤り、メジャーに成り損ないました(きっぱり!)。 だからこそ30周年記念ライヴも人一倍感慨しきりだったりして・・・。
センチメンタル・シティ・ロマンスの皆さん、そして福岡風太、竹内正美 他センチ・ファミリーの皆さん、30周年本当におめでとうございます!!
勿論来るべき40周年記念のライヴも是非見たいので、その時はまたよろしくお願い致します!
Stay High Always.

HIDEKI MASUBUCHI / 増渕英紀