BIOGRAPHY

S.T.U.N. スタン


 S.T.U.N.Vo.     :クリスチャンJ.
 G&Vo.     :ニール・スパイズ
 B.     :ニックS.
 D.     :ボビー・アルト


セックス・ピストルズ張りの過激で反社会的なメッセージ、ジェーンズ・アディクションのハードネス、ビースティ・ボーイズのファンキー&クールネスに、ピクシーズやスーパー・ファーリー・アニマルズなどの革命的サウンド・スケープ、こう書けばS.T.U.N.とはどう言うバンドなのかちょっとは想像ができると思います。この4人編成のデビュー・バンドがこのデビュー・アルバム『エヴォルーション・オブ・エナジー』(=エネルギーの進化)で起こす現象、それは現在の本物の音楽が失っている”音楽の真髄”をヴォリューム感、理由、そしてムーヴメントと共に復活させる、と言う所にあります。それは本当の意味で革命であり、同時にとてつもなく危険で、しかし壮大な可能性を秘めていることなのです。
   

このS.T.U.N.と言うグループ、彼らは歌詞と音の両方を用いて自らのメッセージを表現しています。ではこの『エヴォルーション・オブ・エナジー』から発信されているメッセージとは何なのか?掻い摘んで例を挙げてみると、いかにこの巨大化した政府が嘘と偽りにより、しかも地球規模にてますますその力の幅を利かせているか、自分の道=答えを見つけることがこの悪の支配する世の中で最大のヒーリング・パワーを生む、物質的形のない嘘の罠に気をつけろ、卑怯で臆病でネガティヴな判断力の影響力、そして真の平等が訪れるまで終わらない愛と混沌へのセレブレーション、と言った事なのです。

「我々の音楽は、”調和と警告”を訴えているんだ」、バンドのギタリスト兼作詞家でもあるニール・スパイズは語っています。「自分が育ってきた環境って言うのは、やってきた自分の努力の全てが強制的にどっかのボンクラ権威/権力者が認めた”正”に沿うことを強いられる -大抵そういう”正”は真意ではないんだ。だからオレ等が実践しているのは、勇気を出して自分の信じる”正”の為に挑戦し続けなければいけない。それを実践しているといつの日かそれが自分のメッセージとして一人歩きし始め、それは世界をほんの少しだけ明るくするってことなんだ。」

「別に我々の意見を他人に押し付けている訳じゃないんだぜ。みんな全ての事に疑問を持ち、それぞれの決断をするべきだと思う」ニールは続けます。「でもね、オレ等の中には何か責任感みたいなものもあるんだ。オレが子供の頃思ったのは、音楽に救われたし色々教えられたんだ。それに生きている素晴らしさって言うのは革命の一部となった時に一番感じることだと思う。子供達と話す機会があったんだけど、今そいつらが本当に求めているもの、それは”play it safe”=安全にやって行こうと言う姿勢に取り付かれた正に偽造された今の音楽業界に真向勝負で挑める本物のバンドなんだ。オレ等はそう言う子達のためにプレイしているのさ。」

メンバーは全員 Radiohead、David Bowie、Depeche Modeや The Smithsなどを聴いて育ちました。シンガーのクリスチャンJ. は言います。「オレ等はメロディーが大切だと思ってるんだ。今挙げたアーティスト達のメロディーっていつ聴いても古臭く感じないし、別にトラディショナルなメロディーって訳でもないと思う。そこがスゴイのさ。」

3年ほど前にLAで出会った4人は、その瞬間から4人の間に流れるケミストリーを感じ取ったと言います。ガレージ・パーティーや地元のクラブ、そしてレコード会社のショーケースなどでライヴを繰り返した後、辿り付くべくして辿り付いたメジャー・デビュー。その勝負はアルバム・プロデューサーの厳選なる選出の時点から始まっていました。ベーシストのニックS. は説明します。「Sean Sladeを選んだ理由ってのは、彼がオレ等の影響を受けたバンド達の真髄を理解していて、同時にその影響をどうオレ等の音楽に取り込むかも完璧にヴィジョンできていたからさ」ボストンにあるスレイドのスタジオで40日間で終了した『エヴォルーション・オブ・エナジー』のレコーディングは決定的とも言える仕上がりでした。「精神的にも肉体的にも完全に準備はOKだったからね」スパイズによると「ライヴでのエネルギーをどう最大限レコードに反映させられるか、そこに集中しながら、スタジオのテクノロジーも同時に駆使して制作した。ちょうど良い具合に実験的要素とインプロヴァイゼーションの要素もブレンドさせたんだ」完パケたレコードをGeffenに聴かせた去年の春、メジャー契約は易とも簡単に決まりました。

S.T.U.N.はすごく政治的で感情を刺激する音楽をやっています。が、それは面白いことに連帯感を生み、エンターテイニング性を兼ね揃え、同時に何処かお祭りモードの様な空気もあるのです。ライヴに来るお客さんはジャンルを超えてヒップホップ好きも居ればパンク好きも居る、そんな状況ですし、ライヴは2度と同じモノにならない面白さも彼等の良いところと言えるでしょう。まさにそこはカオスと化しているのです。ニールによると「それは理由が伴ったカオス」であり、「愛と連帯を促すカオス」であると言います。

「まだオレ等のことを見たことのない人達にライヴを見て欲しいんだ」フロントマンであるクリスチャンは言います。「ツアーで初めてオレ等を見る人達は最初にまずショックを受ける、でアナーキー状態に陥るんだ。ステージ上でオレはフリーフォール状態だね。スリリングだよ!」

メッセージとエネルギーが存分に詰まった、新パンク時代の幕開けともなりうるS.T.U.N.の『エヴォルーション・オブ・エナジー』。04年1月末のソニック・マニアでの日本初ライヴで日本のみんなをブチ飛ばした後、満を持して2月25日にデビュー・リリースとなります。