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新作『わたくしの二十世紀』について、小西康陽からのコメント

ピチカート・ワンの第2作を、ここにお届けします。前作と同様、多くの歌手の方々に歌って戴きましたが、それでもこれは小西康陽のソロ・アルバムのつもりでおります。

あるところから、小西康陽編曲でさまざまな歌手の方が歌うコンサートの企画を打診されたのが、本作を作るきっかけでした。

ぜひやってみたい、と考えましたが、たった一夜のコンサートのために何曲ものアレンジを書くのなら、それをアルバムにまとめたい、と思い、ピチカート・ワンのレコーディング・ディレクターだったユニバーサル斉藤嘉久さんに相談したところ、こうして実現する運びとなりました。

当初は聴きやすいソフトロックのアルバムを考えていて、それなら簡単に作ることができると思っていましたが、2曲ほどデモを録った時点で、自分が作りたいのはよりパーソナルな音楽なのだと気付いて、そこから青写真を描いていきました。

新たに曲を作ることは最初から考えず、過去に作った曲をもう一度取り上げる作品集となりました。

もっとも、こうしたアルバムは初めてではなく、以前にも「戦争に反対する唯一の手段は。ピチカート・ファイヴのうたとことば」というアルバムを作っていますし、あるいはスタジオ・ライヴを収めたDVD「HAPPY END OF THE BAND」、コンピレイション「pizzicato five I love you」といった作品も同じ視点で作られたものです。繰り返しこうした作品を制作するのは、ピチカート・ファイヴの、とくに後期の楽曲に対する妄執というものがあるのだと思います。聴かれるべきリスナーの許に届けたい、という気持ち、と言いますか。

ピチカート・ファイヴの楽曲に加え、野本かりあさんの『カアリイ』というアルバムから2曲、『うたとギター。ピアノ。ことば。』というアルバムのときに書いた曲、さらに2012年にスクーターズに書いた曲を取り上げました。歌って下さったのは、いずれも大好きなヴォーカリストの方ばかりです。そう言えば、2008年の『うたとギター。ピアノ。ことば。』で歌っていただいた4人の歌手の方に、今回も参加していただきました。これはあのアルバムの続編、と捉えることも出来ます。

アルバムのタイトルにも、ジャケット・デザインにもそれほど深い意味はありません。今年の1月、東京に雪が降った日に、友人たちがアップしていた雪景色の写真を見て、ああ、やっぱり雪のジャケットがいいな、と考えて、まさにその友人たちから写真を借りました。

タイトルの方は、というと。この作品は制作中のワーキング・タイトルを『わたくしのビートルズ』と呼んでおりました。ビートルズに憧れて音楽を作るようになった人間のひとりとして、2013年に東京ドームで観たポール・マッカートニーのコンサートはショッキングなものでした。どんなに頑張ってみても、とても憧れの人には追いつきそうにない。自分の才能はだいたいこの程度、というような気持ちで、この呼び名を付していましたが、レコーディング終了の前日、ちょうど猿に王女の名前を付けたことでイギリス王室に問い合わせがあった日、こちらもタイトルを改めました。

今回も多くのミュージシャンの皆さま、スタッフの皆さまの御蔭で自分の思い通りのアルバムを作ることが出来ました。ただただ感謝しております。とりわけ、大好きなヴォーカリストの皆さまにはもう一度改めて「ありがとうございました」とお伝えしたい気持ちです。

ではひととき、素晴らしい歌手の皆さんの歌をお聴きになってください。

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