*順不同、敬称略

この半年、脚本を書きながら毎日エイナウディさんの音楽を聞いていました。自分が書いたストーリー、撮っている映画と、彼の音楽が自分の中で完全に一体化しています。凄く「映像の浮かぶ音楽」なんです。

是枝裕和(映画監督)

21世紀に入ってから、恐ろしい速さで進んだ電子の技術の中で、我々は、国境が崩れた未知の世界に面して惑い、あるいは喜び、時には興奮し、時には沈黙する。そうした新しい放浪者たちの心の中に、静かに入り込んでくる音楽がNaturaRhythmと呼ばれるヨーロッパの新しい潮流だ。ルドヴィコ・エイナウディに代表される精鋭たちは、この喧騒と騒音(ノイズ)が溢れる時代の中で、そして、あらゆる音楽が退廃し疲労したと言われる時代の中で、静かに人の心の中に侵入してくる。人の中に内在する太古の時代の真のボーダーレスだった頃の地球の大自然のようであり、プラスティックな新時代の人の呼吸音のようでもある。懐古的(クラシックス)で現代的(コンテンポラリーズ)で、その果てを想って、何度もくり返し聴いてしまう。

大伴良則(音楽評論家)

ナチュラリズムというジャンルの音楽がヨーロッパを中心にトレンドになりつつあると聞いた。穏やかなピアノや艶やかな弦楽器。確かにナチュラリズムの音楽は日々の忙しい暮らしの中でざらついた心を癒してくれる。しかし聴きこんでいくと突然、目の前に荒涼とした風景が開けてくる瞬間がある。得体の知れない不安や孤独に首筋を撫でられたような感覚とでもいえばいいだろうか。実はこの感覚こそがナチュラリズムの魅力だと僕は思う。

長部聡介(フジテレビ ドラマ プロデューサー)

美しい音楽。耳にも心にも、やさしい音楽。それでいて、独自の世界観を持った音楽たち。小説や神話のキャラクターに思いを寄せたり、見慣れた風景を新鮮な目で見つめ直したり、ありのままの時の流れに身を委ねたり、心地よい眠りを教えてくれたりする音楽たち。リリカルなピアノ、クラシカルなストリングス。幻想的なシンセサイザーのメロディが、ぼくたちをそっと包み込む――いま、この時代に必要な自然体(ナチュラリズム)の音楽がここにある。

前島秀国(サウンド&ヴィジュアル・ライター)

私たちはウイスキーへの情熱と、音楽の中に誰かの痕跡が残っていないかと常に探しているところが共通している。 オーラヴルは私にとって大切な友人というだけでなく、大胆で明確なヴィジョンを持ったミュージシャンであり、様々な世代の人々と心を通わすことができる天性の才能と相まって、彼を現代で最も注目すべきアーティストの一人としている。

アリス=紗良・オット(ピアニスト)

マックス・リヒターの「リコンポーズド」は300年という時を飛び越えて私たちの時代の言語で語りかけてくる音楽。 今を生きる色々な世代の人たちが共感できる音楽だと思います。 

庄司紗矢香(ヴァイオリニスト)