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<レポート>メロディ・ガルドー『カレンシー・オブ・マン~出逢いの記憶~』ショウ・ケース@ギブソン・ショウ・ルーム NYC

6月に3年ぶりのニュー・アルバム、4作目の『カレンシー・オブ・マン~出逢いの記憶~』をリリースするメロディ・ガルドーが、自らの新作を語り2曲をプレミア演奏するショウ・ケースが開催された。会場は、ニューヨークのギブソン・ギターのショウ・ルーム・スタジオ。コントロール・ルームに集まった各国のプレス関係者を前に、長年の共作者でもあるジェシー・ハリス(vo,g)との対談と、プロモーション・ヴィデオを上映しつつ、ニュー・アルバムに込めた熱い思いを語る。

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 対談の先掛け、コントロール・ルームのモニターからはニュー・アルバムが流れ、ガルドーの新たな音世界に誘われる。過去3作とは一線を画するディープなルーツ・ミュージックに、ゴージャスなストリングスやホーン、コーラス・アレンジが施されている。ジェシー・ハリスとメロディ・ガルドーが登場し、コンソールの前に座った。マイクも通さず、インティメイトな雰囲気の中で、トーク・セッションが始まる。ハリスの今回のアルバムは、サウンドとトーンにかなりこだわったのではという問いに、ガルドーが応えた。
「ミュージック・セラピーの体験や、様々なリサーチから、今回は従来の440ヘルツではなく432ヘルツのチューニングを施したわ。1940年代ぐらいまでは主流だった432ヘルツのチューニングには、聴く人を穏やかな気分にさせる響きがあった。アナログ録音にもこだわり、ヴィンテージ・マイク、真空管アンプを使い、テープに録音した。デジタルは音が細くなる気がしたけど、やっと満足のいく音になったわ。プロデューサーのラリー・クラインも様々なサウンド、音楽的な実験を施し、素晴らしいサウンドを創ってくれた。」

 ガルドーは、アルバムのコンセプトを端的に表現している2曲について、PVを見せて語る。「”Precherman"は、1955年にミシシッピ州デルタ地区で起きたエメット・ティル殺害事件をモチーフにしてます。シカゴから来た14歳の黒人の少年エメット・ティルが、雑貨店の白人の店主の妻をからかったことへの報復で、激高した店主とその義兄に誘拐、リンチの末、虐殺されミシシッピ川に捨てられた事件です。PVではエメットの遺体が発見され、その母が遺体を川から引き上げ、説教師(Precherman)のところへ行く姿を描きました。実際エメットの母は、棺のふたを開けて葬儀を公開し、その痛ましい虐殺遺体は全米に衝撃を与え、南部の人種差別の実態が広く知られたにもかかわらず、閉鎖的な白人コミュニティーの陪審員裁判で、犯人たちは無罪となりました。この事件は公民権運動の発火点となり、8年後の同じ8月28日、キング牧師によるワシントン大行進が開催され、有名な”I have a dream."の人種差別の撤廃と融和を訴える演説が行われました。60年たった現在も、2012年のフロリダ州のトレイボン・マーティン射殺事件や、先週にボルチモアで大規模な抗議デモとなった警官による黒人殺害事件がおき、人種差別の本質は変わっていないように思われます。我々は同じ過ちを何度繰り返せば、学ぶことが出来るのでしょう。」

 オンラインでは、まだ公開されていない”It Gonna Come"の PVも映された。曲にオーヴァー・ラップして、ホームレスの老人の会話が挿入される。
「チャーリーは、私が住んでいるロサンゼルスのヴェニス・ビーチのストリートで暮らしています。いつも同じところにいて、朗らかに挨拶をしてくれ、けっしてお金をせがんだりしません。高い社会意識とインテリジェンシーをもち、スピリチュアルでクールな人物です。しかし希望もなく、タフなストリート生活を余儀なくされ、多くの人は、彼を見て見ぬ振りをしているのです。このアルバムでは、私がこの数年で出逢った人々をテーマにしてます。その物語の歌を聴くことを通して、リスナーの社会意識を喚起できれば、素晴らしいと思います。」

 休憩のあと別のスタジオのレコーディング・ルームに、案内される。ガルドーもホワイト・ワインを片手に、ギブソン・ギターに囲まれてセッティングをしている。ギター、ベース、ドラム、キーボードにコーラスがスタンバイしている。タイトなビートとコーラスが、”It Gonna Come"を導く。ヴェニス・ビーチを歩くガルドーが、ホームレスの人々に向ける視線が歌われる。ガルドーが、さらに激しくギターをかき鳴らし”Preacherman"へと展開する。リズムもワイルドに躍動する。エメット・ティルの母の哀しみが、ガルドーをとおして吐露される。スタジオはゴスペル教会のような荘厳な空気に包まれた。

 ガルドーは「私はこのアルバムで、今の世界における我々自身の価値と、肌の色、社会的地位、出自に関わらず、誰もが人生の目的を持っている。ということを描きたかった。」と語る。『カレンシー・オブ・マン~出逢いの記憶~』からのセット・リストのライヴで、その全貌を体感できる時が待ち遠しい。
常盤 武彦

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