Biography

Prof Martynasリトアニア生。8歳でシャウレイの音楽学校に入学。正式にアコーディオンを生日始める。12歳から様々なコンクールに出場。ヨーロッパ各地のアコーディオンのコンクールで賞を獲得したMartynasは、高校時代には着実な進歩を見せ、音楽院に入学。2004年には、リトアニアの「クイーン・モルタ・プライズ」を受賞したはじめてのアコーディオン奏者となった。2008年、イギリス王立音楽院に入学。2009年、メンフィスで開催されたアメリカ・アコーディオン協会の第71回コンテストで優勝し、2010年にカリフォルニア州のサンタクララで開催された「ガラ=リニ・インターナショナル・コンペティション」では第2位に輝いた。また同年、アコーディオン演奏者のワールドカップである「クーペ・モンディアーレ」では優勝を果たした。

その一方で、王立音楽院在学中の2010年にはテレビ番組『リトアニアズ・ゴット・タレント』で優勝を果たした。

「この番組がスタートするのを知って、「新番組で大いに注目されるだろうから、これを逃す手はないぞ」と思って出場したんだ。2シーズン出て、ファーストシーズンはあまりうまくいかなかったけれど、2010年のセカンドシーズンでは優勝することができた。音楽院のみんなには完全に秘密にしていた。担当教授のオーエン・マレーには「母国でテレビ番組に出演するので、帰国して準備しなければいけないんです」と言っておいたんだけれど、結局、取り越し苦労だった。音楽院にはフェイスブックのページがあるんだけれど、ある朝、ぼくのページにみんなが次々と来て、「ユーチューブに投稿されてる『リトアニアズ・ゴット・タレント』の優勝者って君のこと?」と訊いてきたんだ。クラシック音楽とは無関係だし、高尚な番組でもないから、悪い印象を持たれるかと思っていたけど、みんなとてもいい感じで、すごく喜んでくれたよ」(マルティナス談)

マルティナスは、ロンドンの王立音楽院で音楽学士号を取得し、プロのクラシック音楽家としての知識と演奏技術をひととおり身につけたが、クラシックは自身を構成する要素のひとつに過ぎないと考えている。

「ロシアには、たとえばソフィア・グバイドゥーリナのようにアコーディオン曲を書いている作曲家が数名いるし、ルチアーノ・ベリオはアコーディオンのために『セクエンツァ』を作曲している。音楽院では多くの新進作曲家と組んできたし、いつか、現代のアコーディオン・オリジナル曲を集めたアルバムをレコーディングしてみたいと思っているけれど、今度のアルバムも、別の視点から見ればコンテンポラリーミュージックのアルバムなんだ。こう言ってはなんだけど、クラシック音楽の世界は窮屈な面もあるから、このほうがもっと楽しいものになるしね」

マルティナスは、東ヨーロッパや南米の民族音楽の印象が強いアコーディオンで、ありとあらゆる種類の音楽を演奏できることを証明したいと考えている。デッカからの第1弾となる、自らの名前を冠したアルバムは、多彩な音楽スタイルに彩られ、全曲とも巧みな編曲で仕上げられ、彼の卓越した腕前を見せつけている。ベートーヴェンからヴィヴァルディ、エンニオ・モリコーネからレディー・ガガまで、Martynasはアコーディオンを携え、時代を越えて行き来しながら世界を旅している。

マルティナスは、ショービジネスの世界にもひるむことなく足を踏み入れた。