Artist: ザ・ルミニアーズ")
Label: UNIVERSAL INTERNATIONAL

Biography

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練習熱心でお絵描きが得意だった9歳のウェスリーは、親友のジョシュの横で、いつの日か画家になることを夢見ていた。あれから20年、バンドの中心人物となったウェスリーは、鉛筆をギターに、絵画を楽曲に替え、ジョシュの弟であるジェレマイアを引き連れてパフォーマンスをしている。相変わらず練習熱心で、演奏のクオリティは高い。

今となっては成功を収めたザ・ルミニアーズだが、ここまでの道のりは平坦なものではなかった。それは2002年にジェレマイアの兄でウェスリーの親友であるジョシュが、薬物の過剰摂取によりわずか19歳でこの世を去ったことから始まる。落胆と悲しみの中でウェスリーとジェレマイアが見つけたものが、「音楽」だった。曲を書いて、ニューヨーク中でライヴをすることで気を紛らわしたのだ。そのうち、激しい争いが繰り広げられる現地の音楽シーンと、生活を苦しめる物価の高さに耐えかねた2人は、やがて活動の場を移すことを決意する。2つのスーツケースに収まるだけの服と、大量の楽器を手に、コロラド州はデンヴァーへと向かった。なんの目的もない、あるのは二人の若者の意地だけ。
新居地で最初に彼らがしたことは、求人サイトでチェリスト募集を呼びかけたこと。それに最初に反応したのが、クラシカル・トレーニング経歴のあるデンヴァー出身のネイラ・ペカレックだった。トリオとなったバンドは、地元の有能なミュージシャンがオープンマイク選手権のために集まるクラブで、毎週火曜日に演奏をするようになる。これまで刺々しいところのあった彼らの音楽は、ネイラが入ることによってよりソフトになり、さらに彼女は自身のレパートリーを、マンドリンやピアノへと増やしていった。そうやって形づいていったのが、胸が膨らむような足踏みや手拍子を取り入れたアコースティック・ロックであり、クラシック・ポップであり、玄関先で奏でるようなフォークが入り混じった、彼らの今のサウンドである。

そして2011年、自主制作したEPと、自らブッキングしたツアーが成果を生み、アメリカ西部から東海岸へとその人気を徐々に獲得していった。まさに老若男女が、エイヴェット・ブラザーズやマムフォード&サンズを彷彿とさせるような、白熱とした「ホー・ヘイ」や「スタボーン・ラヴ」といた楽曲に魅せられていったのだ。また、「スロウ・イット・ダウン」「デッド・シー」といった、ジェフ・バックリーやライアン・アダムスのようなスロウで情熱的なバラードにも虜になった。孤独、逆境、そして絶望といったものを乗り越え、音楽を通してひとつになったザ・ルミニアーズの生の姿に惹かれたのだ。
ここ数年のルーツ・ミュージックの復活によって、素朴に気持ちを露わにする音楽というものを新たな世代のリスナーに提供することが可能となった。それはまるで、伝統を重んじながら、地図に載っていない未知の域に足を踏み込むかのような新体験。そしてザ・ルミニアーズは進む、ストレートでタイムレスなメロディという才能と、魂を揺さぶる歌詞を手に。
悲しみによって生まれ、情熱によって力を注がれ、努力によって実となったザ・ルミニアーズのサウンド。まさに世の中が最も求めている今、我々が出会うべくして出会えた賜物以外の何物でもない。