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キース・ジャレットからチャーリー・ヘイデンへ追悼文が届きました。

チャーリーへ

チャーリー どこから始めよう。多くの者がベースを格好よくしようとしながら、さらにシンセティックでメタリック、鋭くて冷たくした後(いわゆるエレクトリック・ベースという勝者を生み出した)君の腕の中でベースはまたベースに戻った。
君はベースを弾きながらそれを体に巻き付け、ベースに住みつき、そして愛した。君を聴いた者や一緒に演奏した者にはそれがわかった。
君の周りには楽器から「分離」した 者ばかりがいた。君はこのことをどう思っただろう。僕のトリオであるアメリカン・カルテットや弦楽部門などで(麻薬中毒だったときも)一緒に演奏していたときから僕はその答えを知っている。君はいつだって音楽のことしか考えていなかった。君は自分だったらどの音を弾くかわかるから、僕がバンドと演奏するのは聴きにくいと言ったね。君は他のベーシストには興味を示さなかった。気持ちが入っていないものに技術は無意味なんだね。

あるツアー・アシスタントがギグへ行く途中、リムジンの中で『ジャスミン』を聴いたんだ。彼女は若くて、ジャズには詳しくなかった。しかし彼女は「あなた方は本当にひとつですね」と言った。僕は彼女に聞いたよ。「エイミー、それはどういう意味かい?」すると彼女はこう答えた。「あなたがベースを弾いて、チャーリーがピアノだったら2人とも同じように弾くということです」これは褒め言葉だ。

あるジャズ・フェスティヴァルの楽屋でオーネット・コールマンと一緒になった。僕たちは初対面で、当時僕はデューイ・レッドマン(非常に悪いアルコール依存症)とチャーリー(麻薬中毒者) とポール・モチアンとのカルテットを組んでいた。デューイとチャーリーは僕のところにくる前はオーネットと一緒にやっていた。オーネットは僕に教会音楽をどう知ったか聞いてきた。黒人でもないのにだ。僕はそれは違うと答えたよ。教会はどこにでもあるだろうと。彼はそれから僕にどうやってこんなにも長い間(10年超)チャーリーとデューイと一緒にやってこられたのか聞いてきた。そんなことが可能なのかとね。僕は答えたよ。「彼らが最高だからだ」とね。

すべての始まりで僕が最初のアルバムを誰でも好きな者と作れたとき、あるベーシストとリハーサルをしたことがあったが彼は他のグループで忙しくなった。そのときの第二候補(?!)がチャーリーだった。彼の演奏はそれまであまり聴いたことがなかったが、最初のリハーサルでもう他の者を探す気を完全になくしたね。僕たちにはその後40年以上続いた忘れられないつながりができた。カルテット解散後チャーリーは麻薬をやめ、僕たちは30年以上ぶりにレコーディングを復活させた。

人々は彼の演奏を愛し続けるだろう。しかし誰も彼を真似できない。彼は稀で最高、真に独創的である。完璧なイントネーション、最高の耳、ジャズ・ベースの歴史においてもっとも魅惑的で暖かな音。そして常にミュージカルだった。そして僕は『ジャスミン』と『ラストダンス』の選曲において彼ほど誠実で深い理解を示してくれるパートナーに出会うことはなかった。

愛する友へ。
キース・ジャレット

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