第4回 左衛門佐の陸自撮影日記

2014.09.22 TOPICS

第4回 左衛門佐の陸自撮影日記

みなさま、こんにちは! プロデューサーの左衛門佐です(さえもんのすけ、と読みます)

今週も、10月29日に発売されるDVD「車両基地 陸上自衛隊 第2師団 第11旅団」撮影時のエピソードを語っていきたいと思います。

 

今作は「検閲」に密着取材した史上初のDVDになるわけですが、撮影したほとんどすべてのことが初めての体験であり、「なるほど、こうなっているのか」という驚きと新鮮であふれていました。日常では演習場の中に入ることはできないわけですからそれは当然のことなのですが。

「検閲」は日頃の隊員の訓練の成果を発揮する、わかり易く例えると「試験」のようなものです。その内容についてはシビアに評価されますし、その後の更なる進歩向上を促すための1年間の中でも重要なものです。

例えば「検閲」では戦車対戦車の砲撃戦については実弾射撃ではなく、「バトラー」という装置を使います。この装置は戦車に取り付けた発射機(プロジェクター)から発進されたレーザー光線を受光機(ディテクター)が感知し命中弾を判定する装置です。射撃時は擬似的な発射音や白煙を、被弾した場合は回転灯や黄煙を発生させます。着弾をシビアに見極めるため、バトラーを戦車に装着する時は「視準校正」というものを行います。わかり易く言うとレーザーの照準を合わせることです。この一連の作業も本編内で紹介していますので是非ご覧ください。究極のマニア映像といえるでしょう。

 

「検閲」には士気高揚のために音楽隊も参加しています。本編冒頭では部隊完結式で演奏もしていますが、いざ、状況開始となると彼らも楽器を銃や円匙(えんぴ。ショベル)に持ち替え、師団司令部の警備や鉄条網の設置等を実施します。そのギャップにも驚かされました。

これは音楽隊のみならず、すべての隊員にいえることなのですが、日々、日本の平和を守るために切磋琢磨している自衛隊隊員たちのまなざしは厳しいです(もちろん、訓練時間外にお話をしていると、やさしく純粋で正義感にあふれ、おもしろい方々ばかりです。個人的にはふだんから身体の鍛え方が尋常ではないと思いました。日常の業務が終わった後、格闘技道場に通っている方もいました)

そんな彼らの練成の成果が凝縮され表されているのがこの「検閲」です。是非、今作DVDで、隊員たちの真剣勝負をご覧いただければと思います。

 

それでは今回はこのへんで。また次回をお楽しみに。

左衛門佐

                               

 20140922

※写真はバトラー装着中の90式戦車です。