第2回 左衛門佐の陸自撮影日記  

2014.09.10 TOPICS

第2回 左衛門佐の陸自撮影日記  

みなさま、こんにちは! プロデューサーの左衛門佐です(さえもんのすけ、と読みます)

今週も、10月29日に発売されるDVD「車両基地 陸上自衛隊 第2師団 第11旅団」撮影時のエピソードを語っていきたいと思います。

 

北海道大演習場(以下、北大演)内での撮影に際して、ある場所からある場所への移動は高機動車(わかり易く言うと大型のジープのような車両を想像してください)に同乗させていただき移動しました。勿論、カメラ等撮影機材もすべて積載してです。北大演等の演習場内には装軌道(そうきどう)と装輪道(そうりんどう)という道路が張り巡らされています。装軌道は戦車等の無限軌道(わかり易く言うとキャタピラ)の装軌車両が走行する道路。装輪道はトラック等タイヤの車両が走行する道路。実際に現地に入ってみて、そのように道路が分けられているというのが初めてわかりました。

 

我々が主に移動に使用したのが装輪道なわけですが、基本、砂地の道です。なので、天気の良い日は走行するだけでかなりの砂が舞い上がります。また走行中は車内に砂埃が物凄い勢いで入ってくるので慣れるまでは大変でした。顔中が砂だらけになります(目、鼻、耳の中が真っ黒になります。途中からサングラスとマスクで目と鼻は防護しました) カメラ等の機材も砂塵により毎日のメンテナンスが大変でした。

 

また、今回の撮影は長期間に渡ったため、雨天の日も何日かありました。我々、車両基地シリーズ撮影班は晴れ男揃いで、実に晴れの勝率は今まで9割5分以上だったのですが、さすがに今回は2日間ほどは完全に雨でした。雨ですと、砂埃が車内に入ってこない利点がありますが、車から降りた後の撮影が大変です。雨から機材を防護しつつ撮影をしなければなりませんし、雨音の反射音を極力拾わないように音声マイクの工夫をしなければなりません。そして何より、足元の砂地が雨水をたっぷり吸って泥地になってしまうことです。まず、ブーツ等ハイカットの靴でなければ埋もれてしまいます。グチョグチョ、ズボズボです。逆に雨天ならではの印象的な画もいくつか撮れました。例えば、擬装された99式自走155mm榴弾砲の姿です。ブッシュの中で敵から目立たないように葉や木枝で擬装された姿、晴れた日であれば枯れ枯れとしていたのでしょうが、雨露に濡れて何とも趣がありました。背景ではウグイスが繰り返し鳴いていました。とても印象的で個人的には好きなシーンです。是非、本編で確認してみてください。

 

それでは今回はこのへんで。また次回をお楽しみに。

左衛門佐

 

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 ※写真はブッシュの中からの10式戦車です。