Artist: ジョイウェーヴ")
Label: UNIVERSAL INTERNATIONAL

BIOGRAPHY

彼らは切れ者で、面白おかしくて、バンドをやっている。でもそれだけじゃない。ジョイウェーヴ/ JOYWAVEはNYロチェスター出身の〝常習犯たち〟5人組で、コンセプチュアルかつ滑稽に、自意識過剰なインディ・ポップを作っている。メタで私的、レトロでカッティングエッジ、あらゆる年代に向けた洗練されたインディ・ポップだ。思慮深い情報収集、テクノロジーへの精通、感情やジャンル、ランダムなノイズをミックスした踊れるDIYサウンドのスムージー=ジョイウェーヴの曲の世界に入れば誰もが夢中になるはずだ。そこにエネルギッシュで流れるようなライヴ・パフォーマンスも加わり(「ローリング・ストーン」誌は2014年のロラパルーザでのライヴ評として“ジョイウェーヴはディスコを森に持ってきた”と書いた)、さらにリード・ヴォーカルのダニエル・アームブラスターの忘れられない口髭は言うまでもなく、彼らの噂はどんどん大きく膨れ上がっている。

この12ヶ月、5人組は怒涛の活躍をみせた。『How Do you Feel? EP』をリリースし、満員のSXSW(South by South West)でライブショーケースを行い、ザ・キラーズのオープニングアクトを務め、ロラパルーザで強い印象を残し、US、ヨーロッパツアー、さらに初めてのUKツアーを敢行した。音楽サービス〝ハイプ・マシーン〟でもすでに2曲が1位となっており、待望のデビューアルバム『How Do You Feel Now?/ハウ・ドゥ・ユー・フィール・ナウ?』は4月21日にリリースされた。

とはいえ物事はずっと順調だったわけではない。ジョイウェーヴは不況後のサバイバル・ストーリーであり、その創造性は絶望によって支えられている。5人のバンド・メンバー(ヴォーカリストのダニエル・アームブラスター、ギタリストのジョーゼフ・モリネリ、ベーシストのショーン・ドネリー、キーボーディストのベンジャミン・ベイリー、ドラマーのポール・ブレナー)は、ニューヨーク州西部にある経済的に衰退したブルー・カラーの町、ロチェスターの学校で知り合った。ダニエルとショーンが最初手を組んだのは「ショーンが僕の欲しかったソフトを持っていたからだった」とダニエルは言う。バンドは何度か生まれ変わり、その中にはヒット曲を風刺するジョーク・バンドもあった。「そのフェイク・バンドを始めて数か月もしないうちに僕たちはメジャー・レーベルに向けたショーケースをやっていた」とダニエル。「“みんな、これはジョークなんだ。ピザごちそうさま”って感じだったよ」 次の試みはそれよりもっと伝統的なギター・ロックだった。「2つのバンドから正反対のことを学んだ」とショーンが言う。「基本的に音楽業界全体が酷く混乱しているから、自分たちがハッピーになることはなんでもやるべき。だからジャンルを飛び越えたり、最近の僕らの音は実験的だったりするんだ」

すでにご存じのように、ジョイウェーヴは2010年1月に正式に結成され、最初のミックステープ『77777』を2011年3月に発売した。ダニエルの説明によると「ある一貫した架空の物語を中心にした宇宙旅行」だという。続いてミックステープ『88888』、EP『Koda Vista』をリリース。それら初期作品において、ジョイウェーヴはどんな視点やジャンルがダニエルの声に最も適しているかを探ることができた。そしてついに、デビューアルバム『How Do You Feel Now?/ハウ・ドゥ・ユー・フィール・ナウ?』をレコーディングする準備を整えたのだ。これはアームブラスターにとって非常に個人的な作品だ。というのも、まさか大人になった今でも両親の家に暮らしていて、高校生の頃と同じ友達と一緒に地下室で音楽を作っているとは、想像もしていなかったからだ。「僕は今も7年生の頃と同じベッドで寝ている」とダニエルは言う。「7年生の頃は誰でも自分の人生の行き先なんてわかってると思い込んでる。そして後になって、“ああ、まだ何もやってない”って思うんだ。あまりにがっかりして、そこで目が覚める。そう、このアルバムは、家で無駄に過ごしたことや、人生があっという間に過ぎていくのを眺めていたことがインスピレーションになったんだよ」

ハリウッド・レコードと2013年に契約したことで、彼らはダニエルの地下室から出て自分たちのスタジオを借りることができた。それはロチェスターにある独立したコテージだったが、〝奇妙なソヴィエトの歯科医院〟に似た配管設備はレコーディングの間に作動しなくなり、天井は崩れ落ちた。「配管設備が2〜3週間故障したとき、結論のひとつとして出たのが、自分たちが牛乳パックに小便するのを録音しなきゃならない気がしたことだった」とアームブラスターは言う。その「小便を注ぐ音」は無事に録音でき、アルバムの中のある曲の始まりに使われた。実際にはアルバム全体は現場での録音と、アプリで加工した音が絡み合ったものだ。例えばジェットブルー航空の飛行の音、ブルックリンの聖歌隊によるハレルヤ、「ファンタジア」や「ピーターパン」「バンビ」といった映画からのサンプリングだ。(ジョイウェーヴはディズニーがクラシックアニメからのサンプリングを初めて許可したバンドである)

“Somebody New”は、『How Do You Feel Now? /ハウ・ドゥ・ユー・フィール・ナウ?』からのファーストシングルで、「けだるいラブソング」だという。この歌が生まれるきっかけはアームブラスターが見た夢の中でスクリレックスがDJをしていたことらしい。「“woop woop”っていうダブステップリフがあるおかしな曲だった。目が覚めたとき、これをもとにして歌を作ったら面白いと思ったんだ」 “Somebody New”のビデオ監督はキース・スコフィールド(ダックソース、ベック、バスティル)が務めている。

一気に広がりそうな”Tongues”は、DJをしていたアームブラスターが、毎週毎週変わらず楽しく過ごす人々を眺めていたことから誕生した。この曲で彼は、みんなが人生においてやりたかったけれど一度も実行しなかったことを語らせている。話題となった”Tongues”のビデオ(監督はThe Daniels)は、ほぼ全裸の出演者を16㎜フィルムで撮影した。ジョイウェーヴの企てはミュージックビデオに裸の女性たちを登場させる流行に乗ろうとしたことで、それを例によって彼らの型にはまらないスタイルでからかっている。

音楽制作の裏側にあるそのプロセスやコンセプトに魅了された彼らは、ポップの偉大な探検家たち、たとえばデーモン・アルバーンやカニエ・ウエストを、インスピレーションとして引用している。だが必ずしも彼らのような音を出すわけではない。ジョイウェーヴにとって、想像をかきたてるものは具体的な歌やアーティストよりも、改革への熱意なのだ。「やりたいと思うことを実行に移し、コンスタントに自己改革をしている人たちには頭がさがる」とダニエルは言う。「たとえば、“これからやろうとしていることは僕がちょうど今やりたちと思っていることだし、僕が以前やったことや前のトラックがどんなだったかなんて気にしない”、みたいな向こう見ずな独創性のレベルを、僕らは絶えず求めているんだ」