BIOGRAPHY

JONAS KAUFMANN ヨナス・カウフマン (テノール)




 ヨナス・カウフマンは故郷ミュンヘンのミュンヘン音楽大学で音楽教育を受け、ジェームズ・キング、ハンス・ホッター、ヨーゼフ・メッテルニヒの特別クラスに参加、その後ミヒャエル・ローデスの下で技術を磨いた。1994年、ザールブリュッケン州立劇場でプロデビューを飾り、すぐさまシュトゥットガルト歌劇場、ハンブルク国立歌劇場などドイツの主要劇場や、シカゴ・リリック・オペラ、パリ・オペラ座、スカラ座など国際的劇場に招かれるようになった。1999年にはブゾーニの《ファウスト博士》でザルツブルク音楽祭に初出演を果たし、バイエルン州立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場で《後宮からの誘拐》のベルモンテ役を歌った。


 2001年から2009年にかけてはチューリッヒ歌劇場に頻繁に出演し、モンテヴェルディ《ポッペアの戴冠》、モーツァルト《イドメネオ》《皇帝ティトの慈悲》、シューベルト《フィエラブラス》、フンパーディンク《王子王女》などの新演出上演を歌ったほか、《リゴレット》《ファウスト》《魔笛》《コジ・ファン・トゥッテ》《後宮からの誘拐》《ドン・カルロ》に出演、2006年には同歌劇場でワーグナー《パルジファル》を初めて演じた。同年には、エジンバラ音楽祭でデヴィッド・ロバートソン指揮《マイスタージンガー》ヴァルター・フォン・シュトルツィング役も歌っている。2009年7月、バイエルン州立歌劇場で《ローエングリン》タイトルロールを初めて歌い、国際的な音楽ジャーナリズムの絶賛を博した。2010年7月には、同役でバイロイト音楽祭にデビューを果たした。


 近年は世界中の主要歌劇場への出演が続いている。英国ロイヤル・オペラでは《つばめ》でアンジェラ・ゲオルギューの相手役を務めたほか、2006年のパッパーノ指揮《カルメン》新演出上演でドン・ホセ役を、2008年のパッパーノ指揮《トスカ》ではカヴァラドッシ役を、ビシュコフ指揮《ドン・カルロ》をそれぞれ初めて歌った。同歌劇場では《椿姫》アルフレート役でアンナ・ネトレプコと共演し、メトロポリタン歌劇場、シカゴ・リリック・オペラ、バイエルン州立歌劇場、パリ・バスティーユ・オペラ座、ミラノ・スカラ座でも同役を披露した。2008年にはベルリン国立歌劇場に再登場してデュダメル指揮《ラ・ボエーム》ロドルフォ役を歌い、同年秋にはシカゴ・リリック・オペラでマスネ《マノン》デ・グリュー役を初めて歌い、同歌劇場シーズン幕開けを飾った。さらにウィーンでも同役を再演し、絶賛を博している。


 ロンドンでカヴァラドッシ役を初めて歌った後は、ベルリン・ドイツ・オペラ、ウィーン、チューリッヒ、ミュンヘン、メトロポリタン歌劇場で同役を披露。2009年のミラノ・スカラ座シーズン幕開けでは、バレンボイム指揮《カルメン》を歌った。その他の注目すべき出演としては、パリでの《フィデリオ》と《ウェルテル》(ロールデビュー)、メトロポリタン歌劇場とミュンヘンでの《カルメン》などがある。


 コンサートではクラウディオ・アバド、サイモン・ラトル、ニコラウス・アーノンクール指揮のベルリン・フィル、ヴェルザー=メスト指揮クリーヴランド管、ヘルムート・リリンク指揮ウィーン・フィル、クリスティアン・ティーレマン指揮ミュンヘン・フィルと共演。ヴェルディ《レクイエム》は、マリス・ヤンソンス指揮ザルツブルク音楽祭、パリ、バレンボイム指揮ミラノ・スカラ座、ダニエル・ガッティ指揮チューリッヒでそれぞれ歌っている。シーズン中はリサイタルの出演にも時間を割き、近年は伴奏のヘルムート・ドイッチュと共にパリ、ウィーン、チューリッヒ、コペンハーゲン、ミュンヘン音楽祭、ザルツブルク音楽祭に出演。さらにヨーロッパ中でソロコンサートを開催している。