| ●現在米ラジオ&レコーズ、スムース・ジャズ・チャートで1位を獲得、ビルボードのコンテンポラリー・ジャズ・チャートでも第4位 (ともに2003年4月末現在) と人気沸騰中の美人、白人サックス・プレイヤー=ミンディが満を持して日本デビュー。 |
| ●サックス・プレイそしてルックスを兼ね備えた久々の新星現る。 |
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●プロデュースにデュラン・デュラン、マシュー・ヘイガーの作品でおなじみのマシュー・ヘイガーが担当。 |
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●参加メンバーはマイケル・ランドゥ(g)、ジェフ・ゴルブ(g)、マーク・アントワン(g)、リッキー・ピーターソン(keys)、ステイーヴ・フェローン(ds)、レニー・カストロ(perc)他。ゲストにデュラン・デュランのジョン・テイラー。 |

01)ルーシーズ 
02)フラート
03)セイヴ・ザ・ラスト・ダンス 
04)アズ・グッド・アズ・イット・ゲッツ
05)セイヴ・トゥナイト
06)ライト・オン 
07)イット・ジャスト・ハプンズ・ザット・ウェイ
08)ソルト・アンド・ライム
09)モモ
10)プレイ
11)リメンバー
12)ホーム
13)スーパーサイズ・イット(日本盤のみボーナス・トラック) |

マイケル・ランドゥ(g)
ジェフ・ゴルブ(g)
マーク・アントワン(g)
リッキー・ピーターソン(keys)
ステイーヴ・フェローン(ds)
レニー・カストロ(perc) 他
ゲスト:ジョン・テイラー [デュラン・デュラン]
プロデュース:マシュー・ヘイガー |

フロリダ州生まれのサックス・プレイヤー。
スーパー・グループ=バックストリート・ボーイズ、マンディ・ムーアのツアーで名をはせる。現在、このアルバムが米ラジオ&レコーズ、「スムース・ジャズ・チャート」で1位を獲得、ビルボードの「コンテンポラリー・ジャズ・チャート」でも第4位(ともに2003年4月末現在)と人気沸騰中。アルバム・タイトルは敬愛するキャノンボール・アダレイのライヴのスピーチからとった。 |
ライナー・ノーツ

全米コンテンポラリー・ジャズ・シーンに期待の新星が登場した。それも若い女性で、サックス・プレイヤーだ。
それがまずうれしい。というのも長年の間、新世代のインストゥルメンタル・プレイヤーが出にくい状況が続いていたからだ。その原因を探るのはそう簡単なことではないが、よく言われているのは楽器をプレイすることより、プログラミングやサンプリングなどに興味がいき、若いDJはどんどん登場するのに、楽器プレイヤーは出ない!といういこと。全米コンテンポラリー・ジャズ・チャートに登場するのは、40代〜50代のベテラン・プレイヤーばかり! これはアメリカに限ったことではなく、日本でもヨーロッパでも同じことのようだ。
そんな中でこのミンディの存在はフレッシュで、今後のインスト・シーンの大きな突破口になればと思っている。
さて、女性のサックス・プレイヤーというと、日本でも人気のあるあのキャンディ・ダルファーを思い出す人は多いと思う。キャンディの素晴らしさは、そのファンキーなプレイもさることながら、元来ジャズの歴史から見てもわかるように男性的な楽器であったサックスを、女性の楽器でもあるというイメージをそのパワーと人気によって作り上げたことだ。
このミンディの作品を初めて聴いた時も個性や音楽性はキャンディと違うけれど、女性サックス・プレイヤーの存在を広く知らしめたキャンディの功績を思い浮かべてしまった。
では、まずミンディのプロフィールを紹介しよう。
本名、 Mindi Abair 、生まれはフロリダ州のセント・ピーターズバーグで、幼い頃から音楽に囲まれて育った。彼女の祖母はオペラ・シンガー、そして父がなんとプロのサックス・プレイヤー/キーボーディストだった。父がサックス奏者というのも、キャンディと同じで少しビックリした。そしてミンディは父のツアーに5歳まで同行し、まずキーボードを学びはじめ、8歳でサックスをプレイしはじめた。子供の頃は、全米トップ40のフリークで、ゴーゴーズなどに夢中になっていたという。ジャズに興味を持ったのはもっと後のことで、心ひかれたのはデヴィッド・サンボーン(sax)、イエロージャケッツ(フュージョン・グループ)、マイルス・デイビス(tp、マーカス・ミラーがプロデュースした後期の作品「アマンドラ」「TUTU」)。そしてミンディが探求しはじめたサックス・プレイヤーは、ウェイン・ショーター、ジョン・コルトレーン、キャノンボール・アダレイ、メシオ・パーカー、ビル・エヴァンスといった様々な個性を持ったプレイヤーたちだった。
ハイスクール時代は、マーチング・バンドでサックスをプレイし、また2年間ドラムも学んでいる。彼女の生活はまさに音楽によって占められていた。そして高校卒業後、有名なボストンのバークレー音楽院に入学、サックス教師のジョー・ヴィオラについて、音楽理論、作曲について学ぶ。夜は夜で、クラスメイトたちと毎夜、ジャム・セッションに興じていたという。そのセッションが徐々に様々な音楽の知識やスキルを彼女の手の中にもたらすことになる。
バークレー卒業後、ロサンジェルスに居を移し、より腕に研きをかけるためローカル・シーンでジャズを続けていた。そんな中でジョナサン・バトラー(g,vo)に出会い、彼のバンドで活躍し、その後、数々のチャンスが彼女に舞い込む。コメディアンとしても有名なアダム・サンドラー、スーパー・アイドル・グループのザ・バックストリート・ボーイズとのツアーなどだ。ミンディとバックストリート・ボーイズとの関係は深く、彼らのプロモーション・ビデオにも登場している。
その後。ティーン・ポップ・アイドルのマンディ・ムーアとのTVシリーズのバンドでも活躍し、サックス・プレイヤーとして頭角をあらわし、徐々にバンドの一員としてでなく、リーダーとして自分の才能を表現したいという気持ちが強くなっていった。つまり“自分が何者か?”ということを自分の音楽で証明したくなったのだ。マンディ・ムーアの「イン・マイ・ポケット」などのプロデュースで知られるマシュー・ハーガー(g)をプロデューサーに迎えて、初のリーダー・アルバムの構想を練り、そのための作曲もはじめた。そして、自分のレギュラー・グループを作ることも彼女のやりたい大きな夢だった。ジョナサン・バトラーやバックストリート・ボーイズなど、それまでの自分の経験の中で知り合った息の合うミュージシャンからなるバンドを結成した。
GRPレーベルと彼女の出会いはとても意味のあるものだった。実はこのデビュー・アルバムはアメリカでは今年の春(2003年2月25日)にリリースされ、 " 米ラジオ・アンド・レコーズ、スムース・ジャズ・チャート "では堂々の第1位を獲得、そして“米ビルボード誌コンテンポラリー・ ジャズ・チャート”の4位(ちなみに1位はノラ・ジョーンズ(vo)、2位はミンディも尊敬しているケニー・G(sax)、3位はクルセイダーズ)にチャート・イン、現在もチャートの上位にいて、ロングセラーを続けている。そして前述のレギュラー・グループで今、全米ツアーだ。5月、6月、7月はウエスト・コーストを回るツアーで、グリーク・シアターなど名門会場も含まれている。
ミンディの旅立ちは幸先のいいスタートをきった。しかし、その背景には、これまで様々な経験から多くのものを学び成長したミンディの姿がある。
プレイヤーとしての力量とともに、コンポーザーとしての彼女の魅力もこの作品の大きな鍵だ。ポップ、R&B、ソウル、ジャズなどミンディはどんな音楽からもいろいろなものを受け止めて、新しい自分の音楽を目指している。エキサイトするものを自分の音楽に取り入れることによってミンディはミュージシャンとして進歩したのだと
いうのがこのアルバムから伝わってくる。
「私はサックスのサウンドが本当に大好きなの。フルで、リッチで、そしてエッジもある。私は500万のノートやスケールをプレイするのではなく、むしろワン・ノートで多くのリスナーたちに感動を与えたい、と思っている。どちらかというと男に支配されているジャズ・コンテンポラリーの世界で、女性であるということは決して悪いことではない。要は自分を持ち、いかにその楽器をプレイするか、ということが大切だと思っている。」
今も全米で大人気なのはいわゆる“スムース・ジャズ・シーン”だ。チャートを見てわかるのは、ここ10年くらいスムース・ジャズ系の音楽がセールス的にも目立っている。実際、そのチャートに仲間入りしたミンディはその辺りをどう思っているのだろう。
「レコードが売れることって悪いことではないわ。私はケニー・Gを賞賛してるの。彼は自分の成功に決して媚びてないし、彼はいつもプレイし続けている。とにかく自分が本当に好きなことをやっているところが素晴らしいと思う。」
ケニー・Gの成功はアルバム「ブレスレス」が全米で1500万枚というセールスを記録し、インスト史上で最高の売り上げをマークしている。ケニーの成功の後、やたらサックス・プレイヤーが登場し、似たようなサウンドが多くリリースされた。実際スムース・ジャズ・チャートの売れ線は何故か!サックス・プレイヤーが多い。これも事実なのだ。
「私はそんなサックス・プレイヤーたちの一員にだけはなりたくないの。時代の型にはまらない音楽的な冒険心をずっと持ち続けるミュージシャンでいたいと思っている。」
ミンディの音楽は持ち前のポップ感覚がよく生かされたもので、現在のスムース・ジャズ・シーンにもフィットとしている。しかし、彼女の主張する音楽的野心はそれだけに終わらない可能性を示すものだ。野心はプラスに働くもの、興奮と目的意識とで音楽を満たして、そこに何か新しいことが起きるのだ。
アルバム・タイトル「IT JUST HAPPENS THAT WAY」はミンディが好きなサックス・プレイヤー、キャノンボール・アダレイのライヴ・アルバム(1962年)でのスピーチからとられている。
“カッコ良さとは心のあり様ではない。それは生活の真実からくるものだ。カッコ良さとは自分で決めることではない。それは自然に滲み出てくるものだ。”そんな意味が込められたミンディのアルバム・タイトルは、彼女のこれまでの音楽生活が大きな比重を占めていることを表している。
デビュー・アルバムには、リッキー・ピーターソン(kyd)、マーク・アントワン、ジェフ・ゴルブ、マイケル・ランドウ(g)、レニー・カストロ(perc)、スティーヴ・フェローン(ds)など一流ミュージシャンが参加している。あとプロデューサーのマシューの関係からか、デュラン・デュランのジョン・テイラー(b)がゲスト・ヴォーカリストとして参加しているのも面白い。
ミンディはアルト・サックス、ソプラノ・サックスをうまく使い分け、5歳からはじめたキーボードもプレイ、ハイスクール時代からのパーカッションにも興味を持っている。そして、ビックリするのがヴォーカリストとしての力量だ。〈Save Tonight〉でのヴォーカルはあのシェリル・クロウ(vo)を彷彿とさせる。
アメリカでは“インストゥルメンタル・スムース・ポップ・フュージョン”のニュー・スターとして人気上昇中のミンディ。日本でも彼女のサックス・パワーが多くのファンを生むにちがいない。
●音楽誌『ADLIB』編集長 松下佳男 |
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