Biography

Him -a

=HIM=
Ville Valo : ヴィレ・ヴァロ(Vo)
Mikko Lindström : リンデ(ギター)
Mikko Paananen : ミゲ(ベース)
Mika Karppinen : ガス・リップスティック(ドラム)
Janne Puurtinen : バートン(キーボード)
http://www.heartagram.com/

どの世代にもイコンは存在する。そして、Johnny CashからBlack Sabbathまで、我々の人生は、イコン達が創造するサウンドによって定義される。His Internal Majestyも、そのイコンだ。1992年以降、このベテランの作曲家達は、彼ら独自の絶望的なバラードとシンセを取り入れたヘヴィなサウンドの融合を世に送り出し、無類の強力な楽曲を創造してきた。   HIMは、Black Sabbath の不滅のリフレインだけでなく、Type O Negativeの陰気で冷笑的なウィットにも夢中になっていた高校の友人達によって結成され、ロックとメタルを愛する国フィンランドで、国民的イコン以上の存在となった。彼らのトレードマークであるハータグラムは、地球上に消すことのできない印として残された。彼らはこれまでに8百万枚を超えるアルバムを売り上げていて、1999年の「Razorblade Romance」収録の「Join Me In Death」は、フィンランドのアーティストが史上最も売り上げたシングルになり、2005年の「Dark Light」では、アメリカで初めてゴールド・ディスクを獲得したフィンランドのバンドとなった。HIMは稀に見る有力なバンドである。   しかし、ラヴ・メタルをヘヴィ・ミュージックの曲がりくねった家系図のサブジャンルのひとつとして認識してよければ、HIMはラヴ・メタルのクリエイターであり、第一提案者である。そして1997年の「Greatest  Love Songs Vol.666」が世界に魔法をかけて以来、8枚目のスタジオ・アルバムとなる「Tears On Tape」は、おそらく彼らの物悲しいスタイルの究極の表現と言えるだろう。アコースティックで作曲され、それから大量の言葉とヘヴィなディストーションに書き換えられたこのアルバムは、昨今のクラシックとみなされる作品である。 「メタル・バンドとベッドインしてるフォーク・シンガーを想像してみてくれ」 と、Ville Valoは言う。 「このアルバムはそういう忌々しいヴィジョンみたいなものだ」   2010年の「Screamworks: Love In Theory And Practice」に続く新作「Tears On Tape」は、顔面を直撃し、ハートを突き動かす13曲を収録したモンスター・アルバムだ。そしてこれが2003年の「Love Metal」を彷彿させるとしたら、それは偶然ではなく、長年一緒に仕事をしてきたプロデューサ−のHiili Hiilesmaaと再び組んでいるのだ。「Tears On Tape」は大文字で書かれたラヴ・レターである。  「俺達は感傷の部分を失わずに、ヘヴィネスを手にしたかった」 と、Valoが言う。 「映画『ランボー』と『イングリッシュ・ペイシェント』が合わさった作品を想像してくれれば、それに近いものになってる。巨大ないかれたリフが、その裏にある感情を疎かにせずに入ってるんだ」  ヘルシンキでレコーディングされ、ロンドンのAssault And Battery Studioで長年共に仕事をしているTim Palmer(Ozzy Osbourne、 U2、 Pearl Jam等)によってミックスされた「Tears On Tape」は、Valo いわく、「長年の友人達と一緒に仕事をしたおかげで、制作プロセスの核心に到達することができた。俺達は沢山の歴史を共有しているから、そのおかげで本質的な事、つまり可能な限りいいサウンドのいい曲を作って、何か巨大なものに仕上げることに集中できた」という作品だ。   「All Lips Go Blue」のシンプルな、キーボードを添えたメロディから、「Hearts At War」のトニー・アイオミを思い出させるようなリフまで、このアルバムは過去最高にヘヴィで、過去最高に心のこもったHIMのアルバムだ。覚悟しておくといい。