"MIC-A-HOLIC A.I."OFFICIAL INTERVIEW

絶好調。

全速力で生きている絶好調AIが、約1年ぶりの新作アルバムを完成させた。このところ、レコーディング、ツアー、各種アワード出演、テレビ・ラジオなどでのプロモーションと休みなく活動を続け、しかも、最新シングル「Story」がこれまでのシングルの中でも最大のヒットとなり、AIは大ブレイク中。これを含むニュー・アルバムのタイトルは『MIC-A-HOLIC A.I./ AI』。読み方は「マイカホリック・エーアイ」。訳せば「マイク中毒」となる。まさにAIそのものを表現したタイトルだ。そんな絶好調AIのオフィシャル・インタヴュー。

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全力。
新作アルバムは、2004年6月リリースの『2004 A.I.』以来約1年ぶり。昨年暮れ頃から制作に入り、締め切りぎりぎりまでレコーディングなどを行っていた。果たして歌うこと命というほど歌が大好きなAIにぴったりのこのタイトルはどのように生まれたのか。
AIが解説する。「いろいろ(候補が)あったのよ。『ルーツ・オブ・A.I.』だとか、『オール・アバウト・A.I.』だとか、『2005 A.I.』とかね。『スクリーミング・A.I.』とかもあったんだけど、どれもしっくりこなくて。しまいには、『ゴー・ゴー・A.I.』なんてのもでたりして。いや、たしかに『ゴー・ゴー・A.I.』もおもしろいけど、かんべんしてよ〜(笑)って感じで。で、いろいろスタッフなどと考えているうちにマイクをからめて何かタイトルにできないかな、と思って。そしたら、アルコール中毒がアルカホリックでしょ、それと同じような感じで、マイク中毒、つまりマイカホリックっていうのがでてきたの。完成する1-2ヶ月前かなあ。タイトル決まったの」
基本的には、アルバムとしてのコンセプトはなく、とにかくいい曲、いいトラックを集めることに徹した。ソングライター、トラックメイカーも、新旧問わず、日本人外国人問わず、音のみで判断した。
今作は今までになく多くの新進気鋭のトラック・プロデューサーたちとコラボレートしている。例えばヒップホップ系のAQUARIUS(アクエリアス)、ニューヨークを本拠とする2人組2 SOUL(トゥー・ソウル)(前作から引き続き)、アメリカのヒップ・ホップ・プロデューサー、D/R Period(ディーアール・ピリオドと発音)、バークレー出身でドクター・ドレにも楽曲を提供したことがある日本人SUBZERO/ICEDOWN(サブゼロ/アイスダウンと発音。サブゼロもアイスダウンも同一人物)、アイスTほか多くのヒップ・ホップ・アーティストと共演しているヴェテラン日本人DJ YUTAKAのユニット813(エイト・ワン・スリーと発音=DJ YUTAKAとShingo-Sによるユニット)、ボブ・マーリーの娘で自身リーダー作も出しているSteph Pockets、アトランタを本拠に活躍する日本人プロデューサー、T.Kura(ティー・クラ)など。
「みんな(プロデューサーたち)は、ストックをたくさん持ってるのよ。日本のも海外のも、とにかくありったけのトラックを聴くの。ほとんど歌詞がないんだけど、そのトラックを聴いてひらめいたり、何か感じたものがあれば、そのトラック制作者と何かやってみようかって。で、在庫であるものではなく、そうしたデモで聴いてピンと来たものを作った人たちと、改めて一緒に何かを作ってみた。あるいは、いろいろ話し合ってこういうのを作ってください、って注文したりして作ったのが今度のアルバムに入ってる曲よ」
確かに、今のトラックメイカーたちは日々作品作りをしていて、膨大なストックを持つ。アーティストにあわせてそうした作品を提供し、アーティストが気に入れば、一緒にコラボレートして曲作りをする。AIの場合は、既存曲を使うのではなく、オーダーメイドで作ってもらう形だ。AIとスタッフは、海外からレコード会社に送られてくる膨大な量の作品や、国内プロデューサーたちのデモ作品をかたっぱしから聴いた。その数は100曲ではくだらないだろう、という。
しかし録音し、今回のアルバムに収録せず、将来的にシングルのカップリングにするような「隠し曲」はないという。全力で作った全曲をすべてこの新作『MIC-A-HOLIC A.I./ AI』につめこんだ。

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流れ。
曲を作る時、AIはメロディーは比較的すぐにでてくるが、歌詞やタイトルはじっくり考える、という。
「メロディーはすぐ浮かぶ感じ。題名はちょっと考える。タイトルをこう、はめていく感じ。時々、メロディーがタイトルを呼んでくることもある。そういう時は気持ちいいね」
そして、必要な楽曲をすべて録音してから、その並べ方をいろいろ考えた。
「曲順もすごい考えてさ。いろんなパターン考えました。ほんと、迷ったよ。みんなスタッフが曲順だしてきて。いろいろ(15曲)あって、いろんな組合せがあるんだけど、そうすると、どうしても『Story』だけ余るのね。イントロ的に、やはり、最初の曲は『If』かな、と。イントロも長いし。終った後につながりもよさそうなのが、『365 feat. DELI』で、次にアカペラ風の入り方する。これも、いいつながりで…。みたいなのをいろいろ考えた。
『airport ?Interlude-』で空港の雰囲気がでて、それで『California』に行って、そこで、『Summer Breeze』でクールダウンして陽気なラテン系の『PASSION』につながる。もう完璧でしょ、この流れ(笑) だから、みんなもそんな流れを感じて1曲目から最後まで一気に聴いてほしい」

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マイカホリック。
例えば、このアルバムからのシングル・ヒット「Story」はレコーディング以来、ライヴや番組出演などでかなりの回数歌いこんできた。
「そうねえ、レコーディングの時っていうのは、まだそれほど歌を歌いこんでないでしょう。だから、最初に歌った時より、何度も歌ったほうが(表現力が)違う。最初歌う時って、ぎこちない、という感じ。で、なんとかレコーディングして、今度はライヴでレコーディングのとおりに歌おうと思ったりすると、またぎこちなくなってしまったりする。あるいは歌詞ももっと完璧に歌いたいと思う。それに(最初のうちは音楽的に)自分の行きたいところに行きたいと思ってもなかなか思うようにいかないこともある。やはり歌詞を完全に覚えて、自分のものにして、何も見ないで歌えるようにならないと、なかなか本当の意味で『納得できるパフォーマンス』にはならないわね。だから、『Story』に限らず、ライヴで何度も歌いこむ曲は、以前よりも常に最新のものが最高のものになるわよ」
最新のものが最高のものは、片時もマイクを離さないマイカホリックAIならではの自信に満ち溢れた言葉だ。だが、そんなマイク中毒のAIでさえも時にはライヴ中に歌詞を忘れることがある。
「そう、何かの拍子に頭が真っ白になったりしてね。(笑) でもね、そういう時も大丈夫なのよ。(笑) いざというと、ライヴなんかだと観客が歌ってくれるのよ! (笑) AIちゃんのお客さんは世界一よ、まちがいない! 確かに私が書いた曲だから私が一番知ってるはずなんだけど、本当はお客さんが一番よく知ってるかもね(笑)」
AIの観客は、世界一。

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AIに簡単に曲ごとの紹介をしてもらおう。

1. If

「例えば、苦しんで苦しんで歌詞は作るんだけど。この『If』の、頭4行(Don’t stop get up この瞬間、から、ムダにはさせないAll my lifeまで)なんか、サイコーに天才だと思ったよ。(笑) でも、3段目の「あやまちを忘れないで〜」以降のところは、天才じゃなくて、もう必死に努力して作ったって感じ」
「この曲は、自分的にはメッセージ・ソングっていうか、まあ、そこまでおおげさじゃないとしても、何か言いたい事を曲に込められればなあ、と思って作った。例えば、新潟で地震があったり、人が監禁されたり、いっぱい嫌なニュースがあるでしょう。そうしたニュースを見ていると、いつ何が起こるかわからない、元気なうちにできることをやっておこう、っていう気持ちになる。で、(こうした作品を)聴いてくれる人たちも、そんな風に前向きに考えてくれればいいなあ、と思うんだ」

2.365 feat. DELI

「一足先にシングルとしてリリースされている作品。AQUARIUSはヒップホップのトラックメイカー。DELIをフィーチャー」

3. Another Day

「これはトラックメイカーのICEDOWNと一緒に作った曲。彼が『どんなのがいいの』って言うから、『これこれしかじか』って説明して。彼は日本人なんだけど、バークレー音楽院に行った人。
ゴスペル風のバックコーラスは、日本に住むブラック・シンガー、エボニーとダニエルに頼んだ。彼らと私で多重録音して重厚なゴスペルの雰囲気をだした。
一足先に5月に行われた日比谷屋音のライヴでは、10人ほどシンガーを集めてやったのよ。あれ、すごかったでしょ。彼らが10人でハモルともう背筋ぞくぞくって感じよね〜」

4. Once In A Lifetime

「これはD/R Periodが書いた曲。とにかくトラックがかっこいい。音で決めた。本人とは会ったことがないんだけど。
メッセージは、自分の才能に気づいてない人がけっこうたくさんいる。自分には才能があるのに、使ってない人。そういう人たちに、才能があることに気づけ、っていう歌。そういう人たちは絶対できることがあるんだけど、ただやっていないだけなのよ。チャンスを逃さないでやれ、っていうメッセージ。失敗してもいいじゃない、一生は一度しかないんだし、そのチャンスが一生一度かもしれないんだから」

5. Queen

「このICEDOWNは実にいろんなタイプの音楽を知ってる人。ものすごくおもしろい。教会のゴスペルも知ってるし、ロックも知ってるし。もちろん、ソウルもR&Bも。で、実際に会ってみると普通の人だった。(笑) 音楽的には、本当に通じ合える人ね。これも、アルバムのどこに置いていいかなかなか決められなかった曲」

6. just listen -Interlude-
「(これを作った)D/R Periodって、けっこうアメリカではいろいろやってるのよ」

7. Party

「これは、フィラデルフィアで録音した。Steph Pocketsという娘が書いたんだけど、彼女はボブ・マーリーの娘なんだって。今回のレコーディングの前、つまり前作の時に知り合ってて、だから今回はもうすっかり親しくなれた」

8. Sha La La

「T.Kuraとはもう何度も仕事してるんで。この曲はまさに「シャラララ〜」っていう感じの曲。トラック聴いて、「シャララ〜〜」って思い浮かんだ。「シャララ〜〜〜」しかないでしょう! これは!」

9. airport -Interlude-
「この空港のアナウンスは妹のサチなんだ。(笑) 次の「California」へのインタールードっていう感じでしょう」

10. California

「(イメージとしては)カリフォルニアがいきなり始まる曲。海外に行く時の雰囲気。あるいは、ロスの空港からどこかに旅立つ時のシチュエーションでもいい。自分が育ったカリフォルニアの雰囲気を出したかった。
でも、空港行くけど、私はけっこうパスポート忘れたりするんだよね。(笑) どこか行く時って必ず徹夜するのね。それで、どたんばでバタバタして忘れちゃうんじゃないかなあ。(笑) 」

11. Summer Breeze

「元々『ORIGINAL A.I.』に入っていた「Summer Time」っていう曲があって、それのスロー・ヴァージョンがこれ。ちょっとキーも変えてる。音もちょっと変わってるかな。前はもっとバウンシーな感じだったけど、これは少しテンポを落した感じ」

12. PASSION

「パッションは、情熱的な私を見てみてっていう感じの曲。シングルとして先にでてる曲。私の血の中にあるラテン的な部分が思いっきりでた曲。お母さんはイタリア系で、グランマ(祖母)は、完全にイタリア人だから、身振り手振りとかものすごく激しいし、怒る時もすごい。私にもそういうイタリア人気質があると思う。これはそんな部分がでてる」

13. Sunshine

「今まで自分が出会ってきた人たち、私を成長させてくれた人たち、そういう人たちは私を明るくさせてくれたりするのね。『Sunshine』っていうのは、その象徴みたいなもの。私が植物なら、(そういう人たちは)太陽(サンシャイン)という。そういうことを歌ってみたかたかった。ずっと暗いところにいるより明るいところ、太陽が当たるところにいたほうが元気になるし、気持ちいいでしょ。そういうコンセプトかな。だから、これは、『ヘイ・ボーイ』とか、『ヘイ・ガール』っていう恋愛ものじゃない」

14. a poem -Interlude-
「このインタールードを作ったペニーっていうのは、元々(私の)ライヴでキーボードをやってくれてる人。ある時ラジオの番組で、ペニーが弾いて私が歌うというのを録音したのね。で、それはさらっと終わって、彼は帰るはずだったんだけど、いつもインタールードなんかを作ってくれる人が忙しくてこれなくて、たまたまその時ペニーが残っていたの。で、ちょちょっと弾いてくんない、とか言って頼んでできたのがこれ。『Story』の前のインタールードで、『Sunshine』の後っていうイメージで頼んだ。その橋渡しをしてくれるようなもの」

15. Story

「例えば、親にも時々電話しなきゃなあ、とかって思う。でも、かけると話長くなっちゃうから、明日にしちゃおうとか。だけど、今日という日、この瞬間を大事にしないと、いつでも話できると思ってもできなくなるかもしれないでしょう。そういうことを歌ってみた」

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 絶好調、全速力でかけぬけるAI。アルバム発表後は、7月から全国ツアーが始まる。そのツアーで「Story」はまちがいなくハイライト・ソングになるだろう。AIはこの曲を「みんなへの感謝の気持ちとして歌いたい」とつぶやいた。

[2005-6-7: Yoshioka Masaharu - The Soul Searcher]
“An Early Bird Note”
"http://www.soulsearchin.com"

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