担当DRによるSLAM! SHOWCASE LIVE REPORT

2002.01.11 TOPICS

<<DWRが大切にしてるもの、それはファミリー>>
DWRがはオーディエンス、ファン、そしてスタッフ全てを”ファミリー”と表現する。DWRと信頼関係が結ばれた時点で”ファミリー”の一員となるのだ。 SLAM!ショウケースのオープニングのBGMにイタリア系アメリカン・マフィアのファミリーをテーマにした名画、「ゴッドファーザー」のテーマが使用さ れていた。後でメンバーに確認したところ偶然の選択だったそうだが、理由はともあれDWRにピッタリのBGMだった。

<SLAM!ショウケース 当日のレポート>
当日はまずプロモーションでウォーム・アップ。徐々に本番に向けてテンションを高めていくという流れ。会場に入ったのが午後4時を少し回ったくらい。楽屋 口には既にMTV JapanがDWRのべた付き取材の為に待機している。DWRのファンも遠巻きにその様子を覗っていたところ、ジェイブ、グリム、エディの3人はスタッフ の心配を他所にファンとの交流を開始。アメリカでも普段から行っている自然な行為なんだそうだ。ファンは勿論、大喜び!

控え室ではメンバーはそれぞれ自分流の準備を始める。部屋にあるCDプレイヤーでお気に入りの音楽を掛けたり、ジャケットを脱いで体を軽くほぐしたりと端から見ていると結構淡々とした時間の流れだ。

アレックス、ジョー、エディの楽器を担当する3人がまずリハーサルの為にステージに向かった。この時点からショウケースに参加できる喜び、感動を隠し切れ なかったのがドラムのジョーだ。彼は来日直前に左肘を骨折してしまいショウケースではドラムを叩けそうになかったからだ。代役のドラマーも来日していたの だが、想像以上の回復力でショウケース迄になんとか叩けるまでに回復したのだ。

しばらくしてヴォーカルのジェイブとMCのグリムがステージに登場。マイクを片手に音の返りをしっかり確かめていた。全員が揃ったところでライティングの 確認。順調に進み終了かと思われたが、最後にアレックスのベースの音がおかしいことが発覚。時間は掛かったが無事必要な音がきっちりと確保出来てリハーサ ルも終了。

控え室の近くに立っているとジョーが視界に入って来たので話しかけてみる。リハーサルが終了しただけなのに既にどっぷりと感激モードに浸っている。ショウケース本番にはどうなっちゃうんだろうと心配になってしまった。

チル・アウトする時間はあっという間に過ぎてしまい。名古屋のラジオのインタビュー。新人なのでメディアがいかに大切か良く分かっているので真剣に対応し てました。接する人全て”VIP”という感じです。開演5分前、ざわついていた控え室は静かになり、メンバーとスタッフは円陣を組み定番の掛け声を行う。 確か”1, 2, 3, Nothing Like A Horse Cock”か”1, 2, 3, Nothing But A Horse Cock”だったような気が…。いずれにせよ凄い掛け声だなとその時は感じました。

会場に「ゴッドファーザー」のテーマが響く中、メンバーが暗闇の中に現れ、「スペント」のギター・リフがスタート。1階フロアーのオーディエンスは貯めに 貯めていたエネルギーを爆発させる。1曲目から間髪入れず「サムタイムズ・イット・ハプンズ・ライク・ディス」へ突入!グリムのMCでグイグイ引っ張る曲 でそれをエディのクリアーなギター・サウンドで際立たせる感じだ。そしてジェイブが絡んでくる。DWRの特徴とも言える部分だ。

次に続くのがアルバム『オーファン』からのリード・トラック「フィール・ソー・ステューピッド(テーブル 9)」。評判の良かったグリムのトークにかぶるようにイントロがスタート。この曲で一番盛り上がったのはジェイブ。オーディエンスの中にダイヴしたり、気 持ちが高ぶり過ぎたのか声がひっくり返ってました。

ギターのエディもステージを浮いているような感じで端から端まで動き回っている姿がすごく印象的。ベースのアレックスはグルーヴを積み重ねるような動きで した。ジョーは感激のあまり涙を流しながらドラムを叩いていたそう。やっぱり、という感じです。

次にアルバムの中でも呪術的な雰囲気を醸し出している「オール・アイ・ハヴ・イズ・ミー」。代役のドラマーとして来日していたリッチー “スプーキー” サンダースがパーカッションで参加した「アナザー・ウェイ」。DWRはアメリカで手助けしてくれたリッチーを日本のステージに立たせたいと考え実現しました。DWRは本当に”絆”を大切にするバンドなんです。

5曲目は私のお気に入りの曲、「イン・トゥー・ザ・ダーク」。ギターのリフ、そしてグリムのオーディエンスの煽り方が最高でした。オーディエンスが一体と なってジャンプする様は感動的でした。「イノセンス」はアルバムでシャギーが参加しているトラック。ジェイブの気だるいヴォーカルが何か良い雰囲気でし た。グリムのこの曲でのスタイルはかなりユニーク。彼の音楽的なルーツの幅広さが感じられます。

「マリオ・アンドレッティ/バック・ザット・アズ・アップ」はライヴのみで聴けるDWRの曲。彼等はフロリダでライヴに来てくれた人達を楽しませるために リッキー・マーティン、インシンク、そして「マカレナ」のDWRヴァージョンを過激にプレイしていたらしく、日本盤のみボーナス・トラック「バック・ザッ ト・アズ・アップ」もそんな曲の一つだったのだそうだ。メタリカとジュヴィナイルのコンビネーションだと紹介されたこの曲も私のお気に入り。ライヴならで はのドライヴ感がたまりません。伝説のF1ドライバーの名前を冠しているのは伊達じゃない。途中でジュヴィナイルの「バック・ザット・アズ・アップ」に切 り替わるところもカッコイイ。グリムがヒップホップ・カルチャーいかに傾倒しているか良く分かるチョイス!

とどめはメンバー達もショウケースで凄く良いパファーマンスが出来たと感じていた「リヴ・フォー・ザ・モーメント」。アルバムのエネルギー以上のものが DWRとオーディエンスの間に生まれていたのは間違いありません。グリムの謙虚で感謝の意を込めたMCも良かった。ジェイブとグリムの掛け合いで言えばこ の曲が一番良かったんじゃないかと思いましたね。エディのギターもオーディエンスのつま先から頭のてっぺんまで痺れさせていたし。

45分というDWRの日本初パフォーマンスは予想以上の盛り上がりだった。日本盤がリリースになって1週間程しかたってなかったのに。蓋を開けてみれば、オーディエンスは最高でDWRも彼らの良さを十分に発揮してくれました。

ステージから降りたDWRは感激に浸りながらもアメリカでいつも行っているファン、オーディエンス(ファミリー)との交流を会場入り口でスタート。彼等の 真面目さ、誠実さ、ひたむきさを体全体で感じ取りました。DWRと接した殆どの人達が思っていたより怖い感じがしないし、本当に真面目だと声を揃えていま した。売れても変わって欲しくないDWRのとっても大事な要素です。強行スケジュール本当にお疲れ様でした、DWRの皆。

=== セット・リスト===
1. スペント
2. サムタイムズ・イット・ハプンズ・ライク・ディス
3. フィール・ソー・ステューピッド(テーブル 9)
4. オール・アイ・ハヴ・イズ・ミー
5. アナザー・ウェイ
6. イン・トゥ・ザ・ダーク
7. イノセンス
8. マリオ・アンドレッティ/バック・ザット・アズ・アップ
9. リヴ・フォー・ザ・モーメント