ハバネラ
(資生堂「プラウディア」TVCF曲) |
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ビゼーのオペラ『カルメン』の中で有名なアリア《ハバネラ》を披露する主人公カルメンは、純情でウブな男たちの心を虜にする、いわば"魔性の女"の代名詞。1999年、ローマ法王臨席の演奏会で一躍脚光を浴びたイタリアのポップ・ソプラノ、フィリッパ・ジョルダーノはオペラ歌唱の伝統にとらわれることなく、斬新なポップ・アレンジでこの《ハバネラ》に新たな生命を吹きこみました。資生堂「プラウディア」のTVCF曲に使用されたことで、妖しくもみずみずしい彼女のヴォーカルの魅力がいっそう際立ったのも記憶に新しいところです。 |
Summer Snow
(TBS系ドラマ「Summer Snow」イメージ・テーマ) |
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映画『タイタニック』の音楽で天使のようなスキャットを聴かせてくれたシセル。彼女がこの名作に引き続いで取り組んだのがドラマ『Summer Snow』のイメージ・テーマでした。原曲となったアイリッシュ・トラッド《The
Water is Wide》の持つ優しいメロディを生かした絶妙なアレンジは、ドラマの音楽を手掛けた千住明によるもの。シセルの繊細なヴォーカルとザンフィルのパンフルートが奏するちょっと切ない音色が、夏生とユキに訪れる哀しい愛の奇跡を見守ったわたしたちに大粒の涙を誘いました。 |
オンリー・ラヴ
(TBS系ドラマ「百年の物語」メイン・テーマ) |
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2000年の夏に三夜連続で放送されたドラマ『百年の物語』のテーマ曲となった《オンリー・ラヴ》。このスケールの大きなラヴ・ソングで、ナナ・ムスクーリの名を初めて知った若い世代も多いのではないでしょうか。ナナは1960年代から世界的な活躍を続けるギリシャの国民的歌手。もともとこの曲はフランスのTVドラマのために書かれたものですが、地方士族の家系につながる女性三人の運命の恋をリレー形式でつづった力作ドラマのテーマ曲に、まさにぴったりだったといえるでしょう。 |
トゥゲザー・アゲイン
(ホンダ「シビック」TVCF曲) |
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最新アルバム『レッド・ダート・ガール』では以前にも増してクロスオーヴァーへの歩み寄りを見せ、ジャンルを越えたヴォーカル表現の裾野を広げ続ける大ベテラン、エミルー・ハリス。この《トゥゲザー・アゲイン》は1970年代中期、彼女が"カントリー・クイーン"の名を欲しいままにしていた時代の幕開けとなった出世作です。日本ではホンダ「シビック」のTVCF曲として使用されたのをきっかけに彼女のベスト・アルバムがリリースされるなど、そのピュアで毅然とした歌声が再び評価されつつあります。 |
無造作紳士
(TBS系ドラマ「美しい人」主題歌) |
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新しい恋をするたびにいっそう美しくなっていく……すべての女性にとって憧れの存在であるジェーン・バーキンの自由奔放な生き方は、あらゆる世代の壁を越えて広く支持されています。この曲はバーキンの2番目の夫であり、離婚後も彼女のよき音楽的パートナーであり続けた故セルジュ・ゲンスブールの作。ふたりの代表作としてあまりにも有名な《無造作紳士》は、現在も彼女のコンサートで必ず歌われるほどの人気曲です。1999年にはドラマ『美しい人』の主題歌となり、日本ではまたしてもジェーン・ブームの嵐が巻き起こったのでした。 |
Seven Angels
(TBS系ドラマ「Summer Snow」イメージ・テーマ) |
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2曲目と同様、千住明の手による《Seven Angel》は『Summer Snow』の主人公ユキのテーマ曲として書き下ろされたものです。このドラマの脚本家、小松江里子がユキのイメージについて「春の訪れを待つ雪割草」と語った言葉は、そのままシセル自身――ノルウェーに生まれ、1994年のリレハンメル冬季オリンピックの開会式でオフィシャル・ソング《ファイヤー・イン・ユア・ハート》を全世界に向けて歌った――にもぴったりと当てはまるような気がします。 |
虹の彼方に
(ミュージカル「オズの魔法使い」より) |
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映画『オズの魔法使い』の主題歌《虹の彼方に》は、誰もが心の片隅に抱きつづける"夢の世界への憧れ"を美しく歌い上げたスタンダード・ナンバーとしておなじみです。ここではアメリカ生まれのソプラノ歌手で、ポップス・ナンバーの歌唱にも秀でたシルヴィア・マクネアーによるジャジーなヴォーカルを。名指揮者としても知られるアンドレ・プレヴィンのピアノ伴奏をバックに、マクネアーはあたかも無邪気な夢を追い続けていた少女時代を懐かしむかのごとく、じっくりと歌いこんでいきます。 |
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コッポンゲン |
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いわゆるズボン役(男役)を歌わせたら天下一品、とかく"知的でクール"というイメージで紹介されることの多いメゾ・ソプラノ、アンネ・ソフィー・フォン・オッターですが、その歌唱の奥には北欧の人らしく、情の深い一面をも持ち合わせています。クリスマスのキャンドルのあたたかさを歌うフォーク・ソング《コッポンゲン》から伝わってくる母性に満ちた微笑みは、私生活で二児の母親をつとめる彼女の素顔からこぼれたものでしょう。 |
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アメイジング・グレイス |
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常に喜びと力強さに満ちた前向きな生き方、そしてじわじわと心が満たされてゆくようなあたたかい歌声で、レーナ・マリアはいつもわたしたちに勇気を与えてくれます。アメリカの古い讃美歌である《アメイジング・グレイス》は、かつてフォーク・シンガーのジュディ・コリンズが大ヒットさせ、日本でもたいへん人気の高い曲です。この演奏の冒頭で、レーナは感動的な日本語歌唱を聴かせてくれます。 |
ピエ・イエス
(アンドリュー・ロイド・ウェッバー「レクイエム」より) |
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ソプラノ歌手のサラ・ブライトマンはミュージカル『キャッツ』を歌ったのがきっかけとなって、作曲家アンドリュー・ロイド・ウェッバーの公私にわたるパートナーとなりました(現在は離婚)。ふたりの蜜月時代からは『オペラ座の怪人』などの名作が次々と生み出されましたが、ウェッバーが父親の死を悼んで作曲した《レクイエム》の終わり近くで歌われる《ピエ・イエス》も、そうした中のひとつに数え上げることができるでしょう。ボーイ・ソプラノと共に、どこまでも高く伸びていくブライトマンの歌唱が主イエスに平穏を乞いながら、敬虔な祈りを捧げます。 |
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バイレロ |
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フランス中南部のオーヴェルニュ地方に生まれた作曲家、カントルーブが故郷に伝わる古い民謡を集めて編曲した歌曲集《オーヴェルニュの歌》。羊飼いの歌《バイレロ》はその中の1曲で、管弦楽の伴奏も非常に美しいことから、ソプラノ歌手が演奏会で好んでとりあげるレパートリーです。ロンドンから彗星のごとく現れたIZZYの歌唱は、原曲とはかなり趣きを変えた大胆なアレンジによるものですが、澄んだ空気と清らかな水に恵まれたオーヴェルニュのひかりきらめく情景が、不思議と目の前に浮かんできます。 |
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アヴェ・マリア |
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9曲目と同様にレーナ・マリア待望のニュー・アルバム『ハートフィルド』に収められたバッハ/グノーの《アヴェ・マリア》は、シューベルトの同名曲と並び称される傑作です。これまでゴスペル・シンガーとして黒人霊歌や讃美歌を中心に歌いこんできたレーナならではの少しハスキーな声による演奏は、クラシカルな歌唱とはまた違った魅力に満ちています。生まれつき四肢に重い障害を抱えながらも、いつも神への感謝を忘れないレーナの生命の輝きそのものと言えるような、胸を打つ1曲です。 |
まことのやすらぎはこの世にはなく
(映画「シャイン」より) |
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実在のピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴットを描いた映画『シャイン』のラストシーン、見事コンサート・ピアニストとして成功を収めたヘルフゴットが亡き父の墓参りを行う場面で用いられたのが、ヴィヴァルディのモテット《まことのやすらぎはこの世になく》です。透き通った美声でバロック・古典歌曲の解釈に定評のあるソプラノ歌手、エリー・アーメリングの歌唱で、しばし天上の響きとも呼べる世界に浸っていただきましょう。 |
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オンブラ・マイ・フ |
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今日ではほとんど上演されないヘンデルのオペラ『クセルクセス』の中の1曲ですが、日本では《なつかしい木陰》という題名で親しまれているとおり、深緑の木陰が心地よい安らぎをもたらしてくれる恵みを歌ったものです。ここで歌っているミレッラ・フレーニは名指揮者カラヤンと共にプッチーニのオペラ上演で大きな功績を残した名ソプラノ。イタリアが生んだ大歌手の格調高い歌唱は、この愛らしい小品に壮大なスケールと深いドラマをも盛りこんでいます。 |
オール・ザ・シングズ・ユー・アー
(ミュージカル「5月にしては暑すぎる」より) |
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ジェローム・カーン作曲、オスカー・ハマースタイン2世作詞のコンビによるミュージカル『5月にしては暑すぎる』からのバラードで、現在ではむしろジャズのスタンダード・ナンバーとして親しまれています。さわやかな恋心を謳い上げた歌詞と裏腹に、憂いのあるコード進行がかなり歌いにくいため、ブロードウェイ・ミュージカルきっての難曲としても知られていますが、7曲目と同様、マクネアーとプレヴィンの息もぴったりの演奏はそんなことなど微塵も感じさせません。 |
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フォー・ノー・ワン |
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ビートルズ中期の傑作アルバム『リボルバー』の中の1曲で、別れたカップルの心のすれ違いを鋭く描きこんだビター・ソングです。ふたりの異なる心境を象徴するかのように、曲自体も突然終わってしまうのがショッキング。8曲目でもお聴きいただいたフォン・オッターの歌唱は、淡々とした語り口の中にも失恋の痛手をいたわるかのような優しい心遣いを感じさせて絶品です。エルヴィス・コステロの落ち着いたアレンジも原曲のクラシカルな雰囲気をうまく伝えています。 |
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ハレルヤ |
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数多くのスターたちがファンとして名を連ねるレナード・コーエンの名曲《ハレルヤ》をデビュー・アルバムでいきなりカヴァー、ビルボード誌から「まるで神の啓示のよう」と大絶賛を受けたのが、コーエンと同じカナダ出身の新人女性ヴォーカリスト、パトリシア・オキャラガンです。その絶賛通り、彼女の歌う《ハレルヤ》はコーエンの詩の根底に流れる"孤独"や"苦悩"の世界を見据えながらも、同時に失われたものへの慈しみ、慰め、鎮魂といったおだやかな感情の芽生えを感じさせてくれます。 |
ロスト・ボーイズ・コーリング
(映画「海の上のピアニスト」より) |
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このアルバムを締めくくるのは、冒頭でもお聴きいただいたフィリッパ・ジョルダーノが絶唱する《ロスト・ボーイズ・コーリング》。映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネが『海の上のピアニスト』の主題歌として作曲したもので、フィリッパは心の奥底から湧きあがってくるパッションに突き動かされながら、モリコーネならではの美しいメロディを高らかに歌い上げています。モリコーネは新人らしからぬ彼女の歌唱力に惚れこみ、この曲を書き上げたということです。 |
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解説より抜粋(前島秀国/東端哲也) |
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