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今年が建都300年記念に当るサンクトペテルブルクでは、5月はじめからワレリー・ゲルギエフを主役とする"白夜祭"が「戦争と平和」(プロコフィエフ)で華々しくスタート。同月末には"G8サミット"開催時の"マリンスキー劇場ガラ"の立役者として、大車輪の活躍振りを見せたことは記憶に新しい。その間隙を縫って"祝祭週間"渦中のウィーンに現れたゲルギエフ。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(VPO)定期演奏会(5月17/18/20日)と音楽祭のためのコンサート(16日)で取り上げたのが「幻想交響曲」で、生誕200年を迎えたベルリオーズの最高傑作でもある。
VPOとは1998年の初顔合わせでチャイコフスキー「交響曲第5番」を録音して以来、現在では毎シーズン登場する常連のひとりに数えられ、2000年には「展覧会の絵」(ムソルグスキー)のレコーディングを実現している。例年夏の"ザルツブルク音楽祭"でもオペラにコンサートに、両者が目下最高の関係にあるのは周知の通りだ。
今回のニュー・リリースで興味深いのは、ゲルギエフにとって非ロシア系レパートリーの録音は、僅かの例外(注*)を除いて、「幻想交響曲」が純オーケストラ作品としては最初となることだ。それだけに彼としても期するところがあったに違いなく、周知な準備がなされたようだ。"爆演"に終始するのではなく、むしろ正統的スタイルを意識しているところにゲルギエフの変貌が見て取れるかもしれない。
ハープ4台を配したコンサートでは、いつもの"ゲルギー効果"にまして気合が凄まじく、会場の楽友協会が"魔女の饗宴"そのもののように沸きかえった。「豪華絢爛、シアトリカル(劇場風)、記念碑的」といった字句が新聞評でも踊ってゲルギエフの大勝利であり、まぎれもなく「幻想交響曲」が"ウィーン祝祭週間2003"のハイライトであった。
(注*)ヴェルディ「運命の力」(1862年、サンクトペテルブルク初演版)と「レクイエム」山崎 睦
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