唐澤まゆこ TOP MENU
A Postcard from Paris - パリからの絵葉書
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大好きな桜の季節になりました。今年は例年にない寒さで、桜の開花も遅れていると聞いていますが、皆様にはお変わりなくお元気でお過ごしのことと思います。
こちらフランスは、これも例年になく穏やかで暖かい日が続き、夏時間になり、時差が1時間短縮したため、少し日本へ近づいたような気分で2ヶ月ぶりのお便りを書いています。
さて、しばらく歌のアンサンブル活動から離れていた私ですが、ソリスト10人で結成している「アッレグリ」という新しいバロック・アンサンブルのコンサートに急遽出演することになり、ドメニコ・スカルラッティのスタバト・マーテルとアレグリのミゼレーレを、昨夜、パリのサン・ジョゼフ・デ・ナシオン教会(Eglise St Joseph des Nations)で歌い、たくさんの拍手とともに、久しぶりに一致団結して作る音楽の喜びを感じました。
また、来たる5月11日(金)には、パリ市の歴史建築物としても有名なテアトル・ラヌラグ劇場にて、昨年の「L’Art de Marie-Antoinette」に続き、「L’Art du JAPON」(ラー・デュージャポン)と題し、日本の叙情歌、童謡、唱歌の数々を歌います。伴奏にはピアニストの奥山彩さんを迎え、ショパンが愛したPianino Pleyel 1838という珍しいオリジナル楽器での演奏となります。先日、このピアニーノで初リハーサルをしたのですが、柔らかくレガートに響くレトロな音は、素朴で懐かしい大正・昭和のリードオルガンの音色に共通している所もあり、『コドモノクニ』から生まれた童謡のオリジナル譜と見事にマッチングし、嬉しい驚きで胸が熱くなりました。なお、日本ではNHK東京児童合唱団、TOKYO FM少年合唱団が歌った「兎のダンス」「アメフリ」は、パリ16区にあるフォンテーヌ中学校のシジエム・セットの日本語のクラスの生徒たちが特別参加で歌ってくれることになり、日仏混血など様々な人種のフランスの子どもたちに、楽しみながら日本の童謡を教えています。子どもたちといえば、彼らの天真爛漫で元気な歌声を聴くたびに、幼い頃、卓袱台の上で無邪気に踊りながらピンクレディを歌っていたことを思い出すのは、高度な技術を要求されるクラシック音楽でテクニックに囚われがちな我が身を省みて、常に心を自由にして、情感豊かな歌を歌いたいと思っているからかもしれません。
末尾になりましたが、被災地復興の一助になればと今回も昨年同様、コンサート会場で義援金を募らせていただきます。遠いパリにいても被災地、ひいては日本の復興を祈らない日はありません。異空間で歌う故郷(ふるさと)の歌には、そんな私の心を込めるつもりです。

A Paris ,le 31 mars 2012 唐澤まゆ子

パリからの絵葉書