BIOGRAPHY

CHRISETTE MICHELE / クリセット・ミッシェル 


クリセット・ミッシェル 新情熱的な声をもつシンガー、クリセット・ミッシェルがゴールド・ディスクに認定された素晴らしいデビューアルバム「アイ・アム」をリリースしてから約2年が経った。、Entertainment Weekly には”ソウルの歌姫”と呼ばれたロング・アイランド出身の彼女は多大な期待にも応えられることを世界に証明した。BETアワードではベスト・ニュー・アーティストにノミネートされ、グラミー賞でも2部門でノミネートされている。「アイ・アム」は彼女にとって非常に重要な成功であり、ファンにとっての喜びだった。2作目「エピファニー」のレコーディングを開始する時期になると、彼女は自分自身に挑戦する必要性に気づいたのである。「最初の作品では少し内気すぎたと思うし、のんびりしていたわ」クリセットは認める。「新しいプロジェクトでは自分が作り上げた居心地の良い空間から自主的に飛び出そうと思った。もっと鋭くて、若々しくて、都会的な曲を作りたかった」
彼女のジャズ・ヴォーカル風のスタイルにポップな影響をあたえたシンガー・ソングライター=Ne-Yoなど、才能あふれるアーティストたちを採用した。トラディショナルな曲風からヒップホップ・ソウル路線まで、豊かに一体化することで、クリセット・ミッシェルはすでに次のステップを見据えている。ファースト・シングル「エピファニー」で26才の彼女は確実に自身の音楽の多彩さを広げてきている。
Ne-Yoとチャック・ハーモニーの構成で生まれたタイトル・トラックはクリセットの愛らしい笑顔の裏に隠された悲壮感を表現した美しい失恋の歌だ。「Ne-Yoは凄まじく忙しいスケジュールの合間に失恋の痛みや恋愛の喜びなど、それぞれの曲について話し、アドバイスしてくれる時間をみつけてくれたの。」クリセットは話す。ゆったりとしたキーボードとガールズ・グループのバックで始まり、自立した女性になるという宣言通り(彼女は歌っている”It’s over(もう終わり)”と)、「エピファニー」はアルバムに含まれる大半の曲の雰囲気を代表している。「エピファニー(ひらめき)という言葉は私にとって、たくさんの意味がある。この作品のレコーディングの準備をしている最中に、私の中で何かがはじけたのよ」
クリセットはさらにタフになって戻ってきた。この力強さはソウルフルな”ブレイム・イット・オン・ミー”でどの曲よりも顕著に現れている。素晴らしいバラードは生々しい現実感で色づけられている。「別れてくれるなら、何を言われてもいい」と彼女は冷たくも悲しげに歌う。この曲はクラウド・ケリーとクリセットの作曲、そしてチャック・ハーモニーのプロデュースによる素晴らしいコラボレーションだ。Compound Entertainmentに属するプロデューサー兼ソングライターであるチャックはメアリー・Jブライジ、ジャネット・ジャクソンやセリーヌ・ディオンのプロジェクトにも参加してきている。
『アイ・アム』のリリース以降、クリセットは自身のバンドと共にツアーを続けている。ザ・トゥルースやR&Bシンガーであるラヒーム・デヴォーンとソランジェ・ノウルズたちだ。「私にとってはツアーが何よりも大事なの。」彼女は話す。「曲を通じてお客さんとコミュニケーションをとることは最高よ。スタジオで歌を歌うのも1つのことだけど、ステージでそれを出せなければいけない。」日本とバルバドスがお気に入りの場所だと言う彼女はこう話す。「日本では音楽がすべてなの。アーティストはゴシップではなく、作品だけで評価される。バルバドスの観客はとにかく情熱的で、私の心の中を読めるような感じよ。」クリセットはザ・ルーツ(“Rising Up”)とザ・ゲーム(“Let Us Live”)ともレコーディングする時間をみつけている。
「ゲームと仕事をしたときはとても不安だったわ。でも彼は今まで会ったどの人よりも優しかったし、今では私のことを”おまえ”と呼んでくれるの」クリセットは認める。
これだけでは物足りないのか、クリセットはドラマ「Girlfriends」のエピソードに出演、さらに役者としての活動を広げている。シリーズ作品のスターであるトレイシー・エリス・ロス監督による「What’s Black-A-Lacking」では自分自身を演じた回もある。「素晴らしい経験ができたわ。私の意見をたくさん取り入れてくれて、場面を好きなように作り上げさせてもらえた。正直に言ってテレビで自分の姿を見る感覚ってすごいのよ」
Ne-Yoとハーモニーのインスピレーションで生まれた曲が”アナザー・ワン”だ。アコースティック・ギターの優しいメロディーとクリセットの静かな歌声で始まる”アナザー・ワン”は、ゆっくりと、爆発の瞬間へと盛り上げてゆく。「アルバムの中で1番好きな曲よ」クリセットは話す。ロック・ギターとヒップホップのドラム・パターンのミックスというだけで、当然の人気曲だ。「Ne-YoとCompoundのスタッフたちほどニュー・アメリカン・ミュージックを捉えられる人たちはいないわ」
クリセット・ミシェルの2枚目が不安と失恋で形成されているなら、素材のパワーと力強さが「Epiphany」に将来の名作になるサウンドを与えている。このアルバムは間違いなく2009年初の最高傑作だろう。