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『マイ・ピアノ・メモリー』インタビュー


<インタビュー和訳>

Q. アルバムのコンセプトはどうやって決めるのですか?今作のリリースの経緯は?

アルバムは3人の意思によって作られています。私、そしてプロデューサーのジャック・ジェズロー、エクゼクティヴ・プロデューサーのグレッグ・ハワードです。グレッグはいつもアルバムの 大枠のコンセプトのアイディアを持ってきます。例えば、50年代や60年代の楽曲集とか、ある特定の作曲家による楽曲のアルバムを作ろうとかそういったことです。そうして私とジャックがそのコンセプトにあわせて実際に楽曲選びを始めて候補曲のリストを作ります。そして3人でまた集まり収録曲を決定するのです。まさにチームワークのなせる技です。その時代誰もが認めるような大ヒット曲などは全員万丈一致で収録したいということになりますが、ときにはなぜ自分がその楽曲を収録したいのかきちんと理由を主張しなければいけないときもあります。各自がが希望を出し主張し合いますが、最後には全員が納得し収録曲を12曲くらい決め、スタジオに入ります。

Q. 『マイ・ピアノ・メモリー』の収録曲はどのようにきめたのでしょうか?

60年代の楽曲のアルバムを制作することになり、当時の音楽の幅広さを見せたいと思ったの。60年代は全てが変化していました。今もよく知られているブロードウェイ・ミュージック、例えば「ピープル」や「フー・キャン・アイ・ターン・トゥ」、「キャメロット」からの楽曲「サムシング」。またスティーヴィー・ワンダーが素晴らしいアルバムを何作も出していたわ。60年代の前半には多くのソウル・ミュージッシャンが登場する一方、キャロル・キングのようなシンガーソングライターもいて、幅広い種類の音楽が存在していたんです。そしてその各ジャンルを代表する、みんなの記憶にある楽曲を収録することにしたんです。「この曲覚えてるわ」とか「この曲にはこんな想い出があるから好きなの」なんて言ってもらいたいんです。そうやってベストなものを作り上げていきました。

Q. 60年代とはどういった時代でしたか?

60年代世界は激動の時代でした。ご存知のようにアメリカはベトナム戦争をしていて、いろいろなムーヴメントがあったのです。市民運動や、ウーマンリヴ、反戦運動、など。音楽もものすごい勢いで変化していて、まるで時代の変化を反映しているようでした。テクノロジーの波もきていて、ある意味激動の時代だったことをすごくよく覚えています。それと同時にたくさんのすばらしい音楽、楽しい時間や、自分がいたバンドとの楽しい思い出を覚えています。

Q. 60年代で一番好きな映画は?

おそらく一番好きな映画のひとつは、エリザベス・テイラーとリチャード・バートンがでていた「いそしぎ/Sand Piper (1965)」かしら。そんなに秀作というわけではないのですが、メロドラマ風の映画で、ジョニー・マンデル(Johnny Mandel)による音楽がすばらしいんです。テーマ曲である「ザ・シャドウ・オブ・ユア・スマイル/The Shadow of your Smile」が大ヒットしたのですが、サウンドトラック演奏者であるトランぺッター、ジャック・セルドン(Jack Sheldon)
の大ファンになりました。彼はサウンドトラックの象徴ともいえ、60年代に浸透した音楽でした。その当時もそして今でもみんなが聴きたいと思う曲です。

Q. 昔の好きな俳優は?

60年代に好きだったファンはエリザベス・テイラーとポール・ニューマン、あとマーロン・ブロンド。でも一番好きなのは40年代の俳優で、モンゴメリー・クリフ(Montgomery Clift)、エド・ガードナー(Ed Gardner)、ロバート・ミッチャム(Robert Mitchum)

Q. 収録曲で一番好きな楽曲は?

収録曲は大好きな曲ばかりだけど、一番笑顔になってしまう曲は「アップ・オン・ザ・ルーフ」。

Q. 日本盤ボーナストラックには「ムーン・リヴァー」が収録されています。これは映画「ティファニーで朝食を」でオードリー・ヘプバーンが歌っている楽曲。そしてヘプバーンは日本でとても人気のある女優でした。あながもっとも好きなヘプバーンの映画はどれですか?

オードリー・ヘップバーンは素晴らしい女優であり、ダンサーでした。ベルギーでバレエダンサーとしてキャリアをスタートさせたのよね。彼女が出演している映画はどれも見事な作品です。
「ティファニーで朝食を」がおそらく彼女の一番有名な主演作ですが、わたしが一番すきなのはフレッド・アステアと共演している「ファニー・フェイス」です。ゴージャスな服をきて踊るシーンがたくさんでてきます。音楽もすべてガーシュインによるもので魅力のひとつです。

Q. 60年代と今の一番大きな違いはなんですか?

笑。それを語るのに十分な時間はあるのかしら。昔と今とはものすごい違いですね。ある年齢になるとよく言うのだけど、「何かが変われば変わるほど、変わらない物事も増える」ってね、でも実際にはテクノロジーが発達して色んなことを経験したわ。でも一番の違いは人権じゃないかしら。1950年頃から今の時代にかけて、どの物事においても世界は人権というものに焦点をあてはじめたわ。特にアメリカでは60年代から様々なムーブメントが始まったわ。世界平和や人権運動が行われたのだけれど、それ以前は全くなかったことです。それとやはりテクノロジーの進化ね。月に人間が旅をしたり。でも一番変わったと思うのは、他の人への思いやりという面で、この50年間でかなりいい方向に変わったと思います。

音楽的の変化については答えるのが難しいわね。今の音楽が好きとは言いがたいし。どうしても今のものより何十年も前のものに親しみを感じるわ。でも心はオープンよ。レディ・ガガが誰だかも知っているし(笑)、彼女が歌っているのも聴いたことあるわよ。実際彼女のファンだしね。でも個人的に自分が聴くのは20世紀の音楽。もちろん例外もあって、素晴らしいミュージシャンは今も活躍しているのは知っています。でもやはり昔の曲が一番ね。

Q. 想い出はよく歌とセットで心に刻まれていますが、そのような特別な曲はありますか?またそれはどんな曲でどんな想い出があるのでしょうか?

自分が演奏したり知っている全ての楽曲が何かの想い出に結びついているわ。例えばその楽曲を教えてくれた人や、最初にその曲を聴いたときに一緒にいた人を思い出すわね。さっきも話したけれど、「ザ・シャドウ・オブ・ユア・スマイル/Shadow of your Smile」はすぐに思い出が浮かぶ曲よ。「いそしぎ」という映画を最初に見てから、さらに4回も見に行ったのよ。あの曲が覚えたくてね。だから特別な楽曲。いまでも大好きよ。

Q. 「上を向いて歩こう」はアメリカで1位を記録した唯一の日本人による楽曲です。この曲を実際ご存知でしたか? 当時アメリカではどのように受け入れられていたのでしょう?

「スキヤキ」は随分昔の楽曲よね。当時のアメリカで知られている「スキヤキ」は私が今回演奏したものよりもっとテンポが早かったの。大ヒット曲だったのだけれど、実際歌詞の内容が何かは今まで知らなかった。だから今回この楽曲を演奏するに当たって少しリサーチをしてみたの。この歌が日本でどういう意味をもっているかについてね。そして私たちはアメリカで知られている「スキヤキ」と少し違うスタイルで演奏することにしたんです。

Q. 日本ではその歌詞のメッセージ性も強く、時代を超えて大変人気があります。このように、自分を励ましてくれる楽曲はありますか?落ち込んだときに聴くといったような。

ちょっと考えさせてね。私の知っている楽曲全てが自分になにかしらの影響を与えたと思うわ。おそらく誰にとってもそうよね。私が落ち込んでいるときはジャズ・バラードやビリー・ホリデーのような曲を聴くことが多いかしら。さらに落ち込ませるような感じの。そういった曲を聴いて気分に浸るとちょっと気分が晴れるのよ。たとえ暗めの片思いや失恋の曲だったとしてもね。それから「この素晴らしき世界」のような楽曲も聴くわ。この楽曲を演奏すると観客もみな知っているので笑顔になるのよ。ルイ・・アームストロングの有名な大ヒット曲ですものね。このようにみんなが知っている曲は落ち込んでいる人たちをすごく元気づけるものよ。

Q. 音楽がどう人を変えたり何かの手助けになったりすると思いますか?音楽はどのようなパワーを持っていると思いますか?

昔から「音楽は世界共通の言語」と言われてましたが、本当にそうだと思います。実際に音楽が革命を起こすのを何回も見てきました。人々が道に出て行進しながら様々な歌をうたってきました。それから音楽は体にもいい影響があるのだと知られていますよね。音楽を聴くと気分がよくなったり、脳の動きがよくなったり、元気になったり、幸せな気分になったりね。好きな音楽を聴くと病気の人の体調がよくなるというのも知られています。音楽が人々を変えたり手助けできすることは果てしなくあると思います。

Q. 日本デビュー盤『My Piano Romance』は去年日本でももっとも売れたJAZZアルバムになり、あなたは2度の来日も果たしました。今日本は地震

影響で大変な時期を迎えていますが、ぜひ日本のファンにメッセージをいただきたいです。
もちろんです。私は日本滞在中に大変感銘を受けました。来日したのは東日本大震災の前でしたが、そのときでさえ日本の人々は大変仕事熱心で、物事を成し遂げる気合を感じさせました。大地震と津波が来たと聞いて、自分が日本で出会った人々のことが心配でした。レコード会社のスタッフ、通訳の方など日本で関係したみなさんをです。皆たいへん親切に接してくれましたので。出来るだけ多くの人たちと連絡をとり皆の安否を確認しました。そしてどの人からも同じメッセージを受け取ったのです。「これからまた1からがんばります」「必ず乗り越えます」「わたしたちは大丈夫です」「食べ物もないし、電車も止まってしまいましたが、上を向いて歩いていきます、」など前向きで希望をもっていたんです。日本の人たちは最悪の事態のときにどう行動するべきか世界にを見せてくれたのです。日本の方々を大変誇りに思います。

Q. だれにアルバムを聴いてほしいですか?

できるだけ多くの人にです。笑。60年代を思い出すような音楽を聴きたい方や、ジャズを聴いて、楽しい気持ちになりたいと思っている方たちかしらね。

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