Biography

ビーチ・ボーイズ / The Beach Boys


60年にわたり、ビーチ・ボーイズの音楽はアメリカ史の消え得ぬ一部であり続けている。その卓越したハーモニーは、洗練された先鋭的なアレンジを経て率直な真実を伝えてきた。ビーチ・ボーイズは、音楽にとどまらずカリフォルニアの文化を象徴するようになった。世界中のファンに、愛を、若さ溢れる活力を、サーフ・カルチャーを体験するパスポートを提供したのだ。そもそもビーチ・ボーイズは、ティーンエイジャーだったブライアン、カール、デニスのウィルソン兄弟とその従兄弟であるマイク・ラヴ、そして学友のアル・ジャーディンという顔ぶれだった。1962年には近所に住むデイヴィッド・マークスがグループに加入してキャピトル・レコードと組んだヒット曲の第一波に乗るも、彼は1963年の終わりに脱退。1965 年、ブライアン・ウィルソンがツアーから引退してグループの曲作りとプロデュースに専念するにあたり、ブルース・ジョンソンがバンドに加わった。

ビーチ・ボーイズは1962年7月にキャピトル・レコードと契約し、同年にファースト・アルバム 『サーフィン・サファリ』を発表した。バンドは当初サーフ・ロックに焦点を絞っていたが、異なるスタイルの音楽や、精神性、瞑想、環境主義といったテーマを取り込んで早々に幅を広げたことが、ビーチ・ボーイズを1960年代のアメリカを代表するバンドたらしめていく。ウィルソン/ラヴのコラボレーションは数多くの世界的なヒット曲に結実した。

世界で1億万枚を超えるレコードを売り上げてきたビーチ・ボーイズは、最高の評価を得て、かつ商業的にも成功したバンドのひとつだ。1960年代から今日までに、グループは80曲を世界各国のチャートに送り込み、内36曲は全米トップ40入り、4曲が全米1位を飾った。彼らが他のアーティストに与えた影響は音楽のジャンルや流行を超えて広がっている。自身の傑作を生みだしたインスピレーションとして『ペット・サウンズ』 を挙げたアーティストは数知れない。ローリング・ストーン誌は『ペット・サウンズ』 を「史上最高のアルバム500」の2位に、ビーチ・ボーイズを「史上最高のアーティスト100」の12位に選出している。

1988年には「ロックの殿堂」入りを果たし、グラミー賞「特別功労賞生涯業績賞」の受賞者でもあるビーチ・ボーイズは、今もなお世界的なアイコンであり続けているアメリカのバンドである。